前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買い・円売りも観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、上値の重い動きが見られたものの、ドル買い戻しの動きが優勢となり、ドル/円は一時105.29まで上昇した。しかし、上昇一服後は、今晩発表される第2四半期米GDPの大幅な低下が予想されていることに加えて、欧州主要株価指数や米株価先物が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された4-6月期の米GDP速報値が過去最大の落ち込みとなったことや、失業保険申請件数が2週連続の増加となったことから、米経済の先行き不安が高まり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は終盤に一時104.66まで下落し、3/13以来の安値を更新した。一方、ユーロやポンドは対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比547ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小する動きが続き、225ドル安(-0.85%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、44ポイント高(+0.43%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の株高を背景に、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比で100円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、月末の五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りフローが観測されたことも加わり、ドル/円は底固い動きとなった。
(2)仲値通過後は上昇が一服し、上値の重い動きとなった。午後に入ると日経平均株価がマイナス圏まで落ち込み、上値の重い動きとなったものの、ドル買い・円売りの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時105.29まで上昇した。その後は、4-6月の米GDP速報値や新規失業保険申請件数の発表が予定されており、ともに悪化が予想されていることに加え、欧州主要株価指数や米株価先物が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)ドルはユーロや豪ドルに対して底固い動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなった。一方、円売りの流れから、ユーロ/円やポンド/円も堅調な動きとなった。米国市場では、序盤に発表された第2四半期の米GDP速報値が過去最大の落ち込みとなったことや、失業保険申請件数が2週連続で増加したことから、米経済の先行き不安の高まりを背景に、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領が安全な投票が可能になるまで今年の大統領選挙を延期してはどうかとツイートしたことで、政治的な混乱に対する懸念が高まったこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は104.91まで下落した。
(4)104円台では値頃感の買い戻しもあり、再び105円台まで値を戻したものの、ドル売りの流れが給わず、さらに米10年債利回りが0.559%から0.536%まで低下したことも加わり、ドル/円は終盤に一時104.68まで下落し、3/13以来の安値を更新した。一方、ユーロは対ドルで2018年6/14以来の高値を更新、ポンドは対ドルで3/10以来の高値を付けたこともあり、ユーロやポンドは対円でも堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、経済や政治の先行き不透明感が高まったことを背景に、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、本日の東京市場でもドル/円は一段の下落となっている。さらに、昨日の欧米市場の株価下落を受けて日経平均株価が300円超下落したことから、クロス円も上値の重い動きとなっている。米GDPの大幅低下もあり、今後の米経済の先行きが注目されており、来週発表される米雇用統計の結果には特に注目が集まるだろう。
本日の欧州市場では、ユーロ圏のGDPの発表が予定されており、大幅な低下が予想されていることから、結果を受けてユーロ圏経済の先行き不安が高まる場合のユーロ相場に注目したい。一方、米国市場では、7月のシカゴ購買部協会景気指数、7月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されている。特に、後者は前回発表された速報値では、新型コロナウイルスの感染が再び急増したことが影響して、消費者の悲観的な見方が広がったことが示された。今回の確報値は、さらに下方修正が予想されており、予想通りの結果なら米景気の先行き懸念が一段と高まる可能性も考えられる。
7/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:45 | 米国 |
7月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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44.0 | 36.6 |
前回は市場予想を下回ったものの、1982年3月以来の低水準となった5月の結果から改善した。今回は、一段の上昇が予想されているものの、新型コロナウイルスの感染が急増した影響が出ているのかどうか注目されている。ここまで発表された地区連銀の製造業指数は軒並み改善していることから、当該市場も改善が予想されている。ただ、景気の判断基準となる50には依然として届かないと見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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72.8 | 73.2 |
前回の速報値では、市場予想に反して低下となり、感染拡大が再び急増したことで、楽観的な見方が後退し、消費者マインドが低下した。現在の景況感、先行の景況感ともに低下した。今回の確報値では、下方修正が予想されており、消費者の悲観的な見方を反映すると見られている。 |