前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が序盤から上値の重い動きとなったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時105.22まで下落したものの、前日の海外市場の安値105.12が意識され、底固い動きとなった。その後、日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。さらに、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は105.69まで上昇した。しかし、欧州市場では、上昇して始まった主要株価指数が下落に転じ、下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州主要株価数やダウ先物が下げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米主要株価指数が下落して始まったことや、7月消費者信頼感指数が予想以上の低下となったことも加わり、ドル/円は一時104.96まで下落し、3/13以来の安値となった。ただ、105円台割れ近辺では値頃感の買い戻しも入り、105.19まで値を戻したものの、FOMCの結果発表とFRB議長の会見を控えていることもあり、上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比223ドル安まで下落し、安値圏のまま205ドル安(-0.77%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、134ポイント安(-1.27%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中対立の激化や、米国で新型コロナウイルス感染再拡大が続いていることから、ドルは主要通貨に対して序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時105.22まで下落したものの、前日の海外市場の安値である105.12には届かず、底固い動きとなった。一方、小幅高で始まった日経平均株価がマイナス圏で推移するなど、上値の重い動きとなったこともあり、クロス円もやや上値の重い動きとなった。
(2)日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比126円高まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米国債利回りが上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時105.69まで上昇した。
(3)欧州市場では、欧州主要株価指数が堅調な展開で始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、その後下落に転じたことや、米株価先物も下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による米景気の先行き懸念や、米中対立激化が引き続き材料視されて、米主要株価指数が下落して始まったこともドル円・クロス円の圧迫要因となった。さらに、7月消費者信頼感指数が予想以上の低下となったことや、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は一時104.96まで下落し、3/13以来の105円台割れとなった。なお、FRBが緊急貸出プログラムを12/31まで延長することを決定したものの、反応は限定的だった。
(5)105円台割れ近辺では値頃感の買い戻しも入り、ドル/円は105.19まで値を戻したものの、FOMCの結果発表とFRB議長の会見を控えて様子見ムードもあり、ドルは上値の重い動きが続いた。さらに、米政権の追加の経済支援策を巡り、与野党間の協議が難航しているとの懸念を背景に、米主要株価指数が終盤に下げ幅を拡大したことが圧迫要因となり、クロス円も上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、米消費者信頼感指数が予想以上の低下となるなど、消費者マインドが再び低下した。感染再拡大で、経済活動の再開が後退する州もあり、景気回復の鈍化懸念も出ており、主要株価指数が下落するなど、投資家のリスク回避の動きも強まっている。東京市場に入り、再びドル/円は105円台割れとなったものの、海外市場の安値と面合わせとなり、底固い動きとなっているが、引き続き下振れには警戒したい。
米国市場では、6月の米中古住宅販売住宅仮契約の発表が予定されており、前回はローン金利が低下する中で、経済活動の再開が進んだことが住宅市場の押し上げ要因となった。新型コロナウイルスの感染再拡大前のデータであることから、さらなる上昇が予想されているが、前回ほどの大きな伸びにはならないと見られている。さらに、FOMCの結果発表が予定されており、昨日FRBが緊急貸出プログラムの3ヵ月延長を発表したが、金融緩和策の長期化が改めて確認されると見られている。さらに、前回イールドカーブ・コントロールを導入に関して、「答えが出ていない」とし、「今後の理事会で議論を継続する」とFRB議長が発言していたことから、長期債の買い入れ拡大に加え、イールドカーブ・コントロールを導入するのかどうかにも注目されている。イールドカーブ・コントロールの導入、又は可能性があるとの思惑が広がる場合には、前回同様にドルの圧迫要因となる可能性も考えられる。
7/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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14.5% | 44.3% |
前回は、伸び幅が市場予想を大きく上回り、統計開始以来の大幅な上昇となった。住宅ローン金利が低下する中で、一部の州でロックダウンが解除されたことが押し上げ要因となった。ただ、指数ベースでは2017年2月以来の高水準となった今年2月の水準(111.4)までは到達しなかった(99.6)。今回は、前月からさらに上昇が予想されており、予想通りとなるなら、指数ベースで2006年3月以来の高水準となることから結果が注目される。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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0.00%-0.25% | 0.00%-0.25% |
前回は、全会一致でFF金利の誘導目標を0.00%-0.25%で据え置くことを決定した。さらに、2022年末までゼロ金利付近を維持することや、米国債とMBSの現行ペースでの購入維持も決定した。今回も政策の現状維持が予想されているものの、一部では長期債の買い入れ拡大やイールドカーブ・コントロール導入の思惑もあり、結果が注目される。 |