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2024-11-10 10:53:43

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2020年7月28日

マーケットトピックス 2020年7月28日

前営業日トピックス

連休明け東京市場では、米中対立の深刻化や新型コロナウイルスの感染拡大による米経済への影響が懸念され、ドル売り・円買いが優勢となった。ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨が対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも序盤から堅調な動きとなった。午後に入り、ドルが一段の下げとなり、投資家のリスク回避の動きが意識されたことから、クロス円も上値の重い動きとなった。また、欧州市場でも主要株価指数がマイナス圏で推移したこともドル円クロス円の圧迫要因となった。

米国市場では、欧州市場の流れを引き継いで、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。米中対立の激化懸念や、翌日からのFOMCを控えて金融緩和策の長期化が見込まれていることがドルの圧迫要因となった。ドル/円は一時105.12まで下落して3/13以来の安値となった。その後、下げ一服後は値頃感の買い戻しや、米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は105.45まで値を戻した。一方で、ユーロは対ドルで2018年9月以来の高値を更新し、ポンドも対ドルで3/11以来の高値を更新した。

米株式市場では、ダウ平均株価が序盤にマイナス圏まで下落したが、その後は堅調な動きとなり、一時前週末比155ドル高まで上昇し、終盤には上げ幅を縮小して114ドル高(+0.43%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは173ポイント高(+1.67%)で終了した。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は小動きで始まった。前週末の海外市場の株価下落を受けて、日経平均株価が255円安で始まったものの、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。新型コロナウイルスの感染再拡大が米経済に悪影響を及ぼす懸念や、米中対立の激化懸念を背景に、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。

(2)午後に入り、ユーロが対ドルで2018年9月以来の高値を更新し、ポンドも対ドルで3/11以来の高値を更新したことから、ドルは対円で前週末の海外市場の安値である105.68を下抜けて一段と下げ、一時105.45まで下落した。その後、一旦値を戻したものの、米長期金利が低下したことを受けてドル売り・円買いとなり、ドル/円は104.38まで下落した。一方で、欧州市場で主要株価指数がマイナス圏で推移したこともあり、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円も上値の重い動きとなった。

(3)米国市場では、序盤に発表された6月の米耐久財受注が予想以上の伸びとなったことを受けて、ドルは底固い動きとなったが、反応は一時的にとどまった。ドルは、米中対立の激化懸念や、翌日からのFOMCを控えて金融緩和策の長期化が見込まれていることが圧迫要因となり、主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時105.12まで下落して3/13以来の安値を付けた。さらに、ドル指数も一時93.47まで低下し、2018年6/15以来の低水準となった。一方で、ユーロは対ドルで1.1781まで上昇し、2018年9/26以来約1年10ヵ月ぶりの高値を更新し、ポンドも対ドルで1.2902まで上昇して3/11以来の高値を付けた。

(4)ドルは下げ一服となり、値頃感の買い戻し加え、米2年債と5年債の入札を手掛かりに、米国債利回りが上昇に転じたこともあり、ドル/円は105.45まで値を戻した。

本日のトピックス

日本時間や欧州時間では、主要な経済指標の発表がないことから、株式市場などの動きが注目される。その中で、ドルが主要通貨に対して軟調な動きが続いており、特に米中対立の激化懸念や28-29日のFOMCを控えて金融緩和策の長期化が見込まれていることが圧迫要因となっている。前者は早期の改善は難しいとされており、後者は29日(日本時間30日午前3時)の結果発表まで明らかにならないことから、引き続きドルは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。その中で、105円台の大台を割り込む展開となる場合には、一時的に一段の下げとなる可能性も考えられることから、注目したい。

米国市場では、7月の米消費者信頼感指数、7月のリッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されている。7月に入り、新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、経済活動の再開の動きが後退・再び停止となっているケースもあることから、消費者のマインドが低下している可能性も考えられる。感染再拡大が米経済に悪影響を及ぼすとの懸念も出ている中、経済指標が悪化する場合には、ドルの圧迫要因となる可能性も考えられることから、結果が注目される。

7/28の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
23:00 米国

7月リッチモンド連銀製造業指数

リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
5 0
前回は市場予想を上回り、過去最低となった4月から2ヵ月連続の上昇となったが、製造業の拡大・縮小の判断基準とされるゼロを上回ることはできなかった。今回は、一段の上昇が予想されいるものの、7月に入り新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることの影響が出ているとの見方もあり、結果が注目される。
23:00 米国

7月消費者信頼感指数

消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
94.4 98.1
前回は市場予想を上回り、2014年5月以来の低水準となった4月から2ヵ月連続の上昇となった。経済活動の再開で楽観的な見方が強まったことが示され、現況指数、期待指数ともに上昇となった。今回は、前月から低下が予想されており、新型コロナウイルスの感染再拡大が影響していると考えられ、2013年5月以来の低水準から前月大きく改善した現況指数がどこまで低下するのか注目される。
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