前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しく積極的な売買が手控えられる動きとなった。その中で、日経平均株価の動きに沿った展開となったものの、全般的に狭いレンジ内の動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が下落したことを受けて、ユーロやポンドなどが上値の重い動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米主要株価指数の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米国で新型コロナウイルスの感染拡大懸念が高まったことが嫌気され、上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小するなど、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ドルは米国債利回りの低下も加わり、対円で6/29以来の安値となり、対ユーロ、ポンドではともに6/16以来の安値となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に前日比219ドル高まで上昇したものの、その後は73ドル安まで下落した。しかし、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、177ドル高(+0.68%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、148ポイント高(+1.44%)で終了し、終値ベースの過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が前日比130円超下落して始まったものの、その後下げ幅を縮小し、前日比プラス圏まで上昇するとドル円・クロス円も底固い動きとなった。その後も新規材料に乏しい中、株株式市場の動きに沿った展開となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、176円安まで下落して終了したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は軟調な動きとなったが、東京時間では比較的狭いレンジ内の動きとなった。
(3)欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことから、ユーロやポンドが上値の重い動きとなり、ドルはユーロやポンドに対して上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)全米の新型コロナウイルスの感染者数が5万人増となったとCDC(米疾病対策センター)が発表したことを受けて、感染拡大に対する懸念が高まり、ダウ平均とSP500が一時マイナス圏まで下落するなど主要株価指数が軒並み下落となり、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ドルは米10年債利回りが0.672%から0.643%まで低下したことも加わり、対円で6/29以来の安値となり、対ユーロ、ポンドでも6/16以来の安値となった。
本日のトピックス
本日、米国市場では失業保険関連の経済指標の発表が予定されている。米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高を更新している時期の統計データであることから、結果が注目されている。新規申請件数では、減少が予想されているものの、減少幅が小幅になる、又は前週から増加するとの見方も一部で指摘されている。一方、継続受給者数も感染者数の増加で再雇用が進んでいない可能性や、7月末まで週600ドルの失業手当を受給できることもあり、再雇用に消極的になる傾向も指摘されており、こちらも小幅減少または増加を予想する向きもあることから、結果が注目される。申請件数、継続受給者数が増加となる場合には、雇用や景気回復に時間がかかるとの懸念が広がる可能性も考えられる。
7/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(7/4までに週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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137.5万件 | 142.7万件 |
先週は13週連続の減少となったものの、市場予想を上回るなど改善がやや鈍化していることが示された。米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高を更新したことが影響していると見られる。今回も若干の減少が予想されているものの、一部では前回結果を上回るとの見方もある。 | ||||
21:30 | 米国 |
失業保険継続受給者数(6/27までの週) |
1875.0万人 | 1929.0万人 |
前回は市場予想を上回り、前週の結果から増加した。米国で新規の感染者数が過去最高となるなど、経済活動再開の動きが停滞していることが影響していると見られる。新規の感染者数が増加していることや、7月末まで失業手当の増額が続くことから、一部では7月末までは減少率がより小さくなるか、前週から増加となる可能性を指摘する向きもある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲の中での動きから下抜けとなり、上値の重い動きが続いています。ここから一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されています。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、現在107.963で横ばいが続いていますが、週明け13日には107.884に低下、14日には107.312、15日には107.118まで低下することから、この動きに合わせてドル/円も軟調な動きとなるのか注目されます。さらに、13日は相場の反転・加速となりやすい日柄となることから(現状の動きから下向きに加速する可能性も)、週明けの動きにも注目です。
オシレーターのMACDでは、両線がゼロ・ポイント近辺でクロス間近となっており、クロスとなれば目先の軟調を示唆する形状となることから、両線の動きもの注目です。
下値のポイントは、106.075と105.991の下限近辺となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられます。その場合の下値目標の計算値は104.386と計算できます。
上値のポイントは一目均衡表の基準線(本日は107.963)と考えられ、基準線の低下のタイミングで上抜けとなれば一段の上昇(次のポイント一目均衡表の雲下限)も考えられます。