前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の底固い動きとなった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、上昇して始まった日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米国の一部地域や中国・北京で新型コロナウイルスの感染者が増加していることで、感染拡大第2波への警戒感が意識され、リスク回避の動きから上値の重い動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が上昇して始まり、上げ幅を拡大したこともあり、ユーロなどの欧州通貨はドルや円に対して底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎドルは序盤から軟調な動きとなり、ドル/円は106.77まで下落した。その後、ロンドンフィキシングに向けたドル買いが強まったことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は107.04まで上昇した。しかし、米国の一部の州で新型コロナウイルスの感染者数拡大したことで、感染拡大の第2波への警戒感が高まり、米主要株価指数が軒並み下落に転じるなど、投資家のリス回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は106.80まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比371ドル高まで上昇した。しかし、その後320ドル安まで下落する場面もあり、208ドル安(-0.80%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にプラス圏まで回復し、3ポイント高(+0.03%)高で終了、6営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。海外市場で大幅下落となったポンドは値を戻す動きが続いており、ポンド/円は海外時間に付けた安値の132.40から133.09まで上昇した。その中で、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比168円高まで上昇したものの、その後は下げに転じてマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)新規材料に乏しい中、世界的に経済活動の再開が進んでいるものの、感染拡大の第2波に対する懸念が高まっていることもあり、上値の重い動きが続いた。その後、中国が米国の農産物購入を強化する方針との報道を受けて、米中対立緩和観測からドル円・クロス円は上昇する場面もあった。
(3)欧州主要株価指数が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことに加え、EU首脳会議で経済対策の進展期待もあり、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。ドルは対円でも上値の重い動きとなり、米国市場序盤にドル/円は106.77まで下落した。
(4)ロンドンフィキシングに向けたドル買いが強まったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、EU首脳会議で経済再生のための復興基金に関する合意が先送りされたことで、ユーロ圏経済の回復期待が後退し、ユーロがドルや円に対して下落したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は107.04まで上昇した。
(5)カリフォルニア州など一部の州で新型コロナウイルスの1日の感染者数が過去最多を更新したことで、感染拡大の第2波への警戒感が高まり、前日比350ドル超上昇していたダウ平均株価が一時320ドル安まで下落するなど、投資家のリス回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.741%から0.685%まで低下したことも加わり、ドル/円は106.80まで下落した。
本日のトピックス
ここまで経済活動の再開や、経済指標の改善が続く中で、景気回復期待が高まるなど、楽観的な見方も出ていた。ニューヨークでは、経済活動再開の第2段階に移行する予定であり、レストランやカフェなどが営業を再開するが、経済活動再開が進むにつれて、米国内で再び感染の拡大が報告されるなど、感染拡大第2波への懸念が高まっている。そのため、日々の感染者報告などが注目されており、再び再閉鎖を決定した企業もある。そのため、感染の増加傾向が続く場合にはリスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。なお、米国では中古住宅販売件数の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。
一方、ユーロ圏でも、先週のEU首脳会議で復興基金に関する合意が先送りされたことで、ユーロ圏経済の回復期待が後退していることから、投資家心理も不安定になっており、ネガティブな報道などには敏感反応する可能性も考えられる。
6/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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415万件 | 433万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の減少となり、2011年9月以来の低水準となった。下落率では、2010年7月以来の大幅な減少率となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が住宅市場に影響したことが示された。今回は、さらに減少すると予想されており、悪影響が続いていることが示されるのか注目。 |