前営業日トピックス
前日の欧米の主要株価指数の大幅下落を背景に、日経平均株価も序盤から大きく下落となり、ドル円・クロス円も序盤から軟調な動きとなった。ドル円は106.59まで下落したものの、前日の海外市場で付けた安値の106.57までは届かず、底固い動きとなった。その後は、日経平均株価が下げ幅を縮したことから、ドル円・クロス円は値を戻し、さらに米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は107.33まで上昇した。
欧州市場では、下落して始まった主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、米国市場では、新型コロナウイルス感染拡大の第2波に対する警戒感が高まったことや、景気回復が遅れるとの懸念を背景に、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じ、一時マイナス圏まで下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされるドルや円が買われた。しかし、終盤にかけて、再び株価が堅調なとなったこともあり、ユーロ円やポンド円などのクロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比837ドル高まで上昇した。その後は下落に転じ、49ドル安まで下落したものの、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、477ドル高(+1.90%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、96ポイント高(+1.01%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)投資家のリスク回避の動きが強まった海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。欧米の主要株価指数が大幅下落となったことを受けて、日経平均株価も序盤から大きく下落となり、一時前日比685円安まで下落したことから、ドル円・クロス円も一段の下落となった。ドル/円は一時106.59まで下落したものの、海外市場で付けた安値の106.57が意識されて底固い動きとなった。
(2)値頃感の買い戻しに加え、下落していた日経平均株価が122円安まで下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.662%から0.698%まで上昇したことも加わり、ドル/円は107.33まで上昇した。一方、英国の月次のGDPが過去最大の減少幅となったことからポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)下落して始まった欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は買い戻しが強まり、一時107.55まで上昇した。一方、ドイツ政府が付加価値税を半年間引き下げ、景気を刺激する方針との報道を受けてユーロは堅調な動きとなり、対ドルで1.1340まで上昇し、対円では121.82まで上昇した。
(4)米国市場では、経済活動の再開が進む中、再び新型コロナウイルスの感染者が増加したことで、感染拡大の第2波に対する警戒感が高まったことに加え、景気回復が遅れるとの懸念を背景に、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、前日の大幅下落の反動でダウ平均株価が830ドル超の上昇となるなど、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じ、一時マイナス圏まで下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされるドルや円が買われた。しかし、株価の下げが一服し、終盤にかけて再び堅調な動きとなったこともあり、ドルや円はやや上値の重い動きとなったものの、ユーロ円やポンド円などのクロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
新型コロナウイルスの感染拡大の第2波への警戒感を背景に、先週は投資家のリスク回避の動きから世界的な株価の大幅下落となった。今週は、ここから感染者数の拡大が続いて警戒感が高まるのか注目されており、それにより株価や米国債が敏感に反応し、為替市場にも波及する可能性が考えられる。
週明けの東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなっている。ドル/円は先週106円台中盤で底固い動きとなったこともあり、目先はここが下支えのポイントと見られている。ただ、ユーロやポンドなどのクロス円は、5月からの上昇幅が大きかったことから、リスク回避の動きが強まる場合には、下げ幅も大きくなるとの警戒感もある。
6/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ![]()
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-28.8 | -48.5 |
前回は市場予想を上回る改善となり、4月の過去最大の低下から持ち直した。新規受注や雇用が大きく改善したことが影響したものの、依然として大幅なマイナスが続いている。一方、6ヵ月先の予想は3ヵ月連続の上昇となり、やや楽観的な見方が示された。今回は、さらに改善が予想されているものの、依然としてマイナスが続くと見られており、製造業の景気判断の基準となるゼロを上回るには依然として時間を要する可能性が考えられる。 |