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2024-11-13 04:57:22

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2020年6月5日

マーケットトピックス 2020年6月5日

前営業日トピックス

東京市場では、海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤に約2ヵ月ぶりの109円台乗せを達成した。しかし、109円台では上値の重い動きとなったことに加え、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後には、日経平均株価がプラス圏に回復したこともあり、ドル円・クロス円は固い動きとなった。その後、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は再び109円台まで上昇したものの、上昇一服後、欧州主要株価指数が序盤から軟調な展開となったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。

米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が減少したものの、予想より弱い内容だったことからドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ECB理事会では、主要政策金利が据え置きとなったものの、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を6000億ユーロ拡大するとしたことで、金融緩和策の拡大がユーロ圏経済を下支えするとの見方が広がり、ユーロが主要通貨に対して上昇となり、対ドルで3/11以来の高値、対円では2019年5月以来の高値を付ける動きとなった。ドルはユーロやポンドなどの主要通貨に対して軟調な動きとなったものの、米国債利回りが上昇したこともあり、終盤に109.20まで上昇し、4/7以来の高値を更新した。

米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなったものの、切り返して114ドル高まで上昇した。その後、再び軟調な動きとなり、一時前日比187ドル安まで下落したが、引けにかけて値を戻す動きとなり、11ドル高(+0.05%)で終了して4営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤にプラス圏まで値を戻す場面があったものの、その後は軟調な動きが続き、67ポイント安(-0.69%)で終了した。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、海外時間で109円台乗せとならなかったものの、序盤に109.04まで上昇し、4/9以来2ヵ月ぶりに109円台乗せとなった。しかし、ドル/円は109円台ではやや上値の重い動きとなり、円買い戻しの動きが強まったことや、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したこと、さらに米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は108.80まで下落し、この動きにクロス円も上値の重い動きとなった。

(2)午後に入り、マイナス圏まで下落した日経平均株価が終盤にかけて値を戻す動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は再び底固い動きとなり、特にドルはユーロなど主要通貨に対して底固い動きとなったことから、対円でも再び109円台乗せとなり、一時109.16まで上昇した。ただ、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。

(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が減少したものの、予想より弱い内容だったことや、失業保険継続受給者数が予想に反して増加したことから、全米各地で外出制限や営業禁止などが緩和されるなど、経済活動の再開が進んでいるものの、労働市場の改善には時間がかかるとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ECB理事会では、主要政策金利が据え置きとなったものの、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を6000億ユーロ拡大することや、緊急購入プログラムの買い入れ期間を2021年6月まで延長を発表したことを受けて、金融緩和策の拡大がユーロ圏経済を下支えるとの見方が広がり、ユーロは主要通貨に対して上昇となり、対ドルで3/11以来の高値、対円では発表直前の121.94から123.97まで上昇し、2019年5月以来の高値を付ける動きとなった。ユーロやポンドなど欧州通貨や資源国通貨が円に対して上昇したことを受けて、ドルも対円で底固い動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.742%から0.826%まで上昇したことも加わり、序盤に108.62まで下落したドル/円は終盤に109.20まで上昇し、4/7以来の高値を更新した。なお、ライトハイザー米通商代表部代表が、中国は通商合意順守で検討している、中国が大豆輸入を停止するとの報道は誤りと発言したことも下支え要因となった。

本日のトピックス

本日は米国の雇用統計の発表が予定されており、マーケットの注目が集まっている。前回は、失業率、非農業部門雇用者数ともに過去最悪の結果となり、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が労働市場に大きな打撃を与えていることが示された。今回は、失業率はさらに上昇が予想されているものの、雇用者数は改善が予想されている。特に、先に発表されたADP雇用統計では、雇用者数が予想以上の大幅改善となったことから、本日発表の雇用者数も予想以上に改善するとの期待感も高まっている。ECBによる追加緩和の拡大が発表されたものの、ユーロ圏経済の下支えに寄与するとの見方が広がり、ユーロ買いとなったように、米国の雇用者数が予想以上の回復となれば、米国経済の回復が加速するとの見方が強まる可能性も考えられる。

6/5の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
21:30 米国

5月非農業部門雇用者数

農業部門を除いた労働者一人当たりの生産高を示した経済指標で、企業景況や個人消費への影響が大きく、景気動向を判断する指標として注目されている。
-750.0万人 -2053.7万人
前回は、市場予想ほど悪化しなったものの、過去最大の雇用消失となり、2011年以降の雇用増をほぼ帳消しにする大きさだった。今回は、マイナス幅の縮小が予想されており、先に発表されたADPの結果から予想以上の改善となる可能性も期待されている。

本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 

ユーロ/円は、一目均衡表の雲を上抜けてから上昇が加速しており、急角度での上昇となっています。売られすぎ・買われすぎを示すオシレーターのRSIでは、買われすぎを示す70%以上のゾーンまで達し、90%を超える水準まで上昇していることから、やや高値を警戒する動きも出ています。RSIはやや失速しており、同じオシレーターのMACDで両線の乖離幅の縮小傾向や、先行するライン(赤色)の失速に注目して、目先の相場の方向性を見極めましょう。

一方、ドル/円も堅調な動きが続いており、逆ヘッドアンドショルダーズ(逆三尊)のパターンがネックラインをブレイクして完成していることから、パターン完成による上値目標の計算値が110.14近辺と計算できることから、引き続き堅調な動きとなるのか注目です。

気まぐれ投資コラム

米国の大幅な雇用消失、早期回復はあるのか?

新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、経済活動が停止となった影響で、米国の非農業部門雇用者数は4月に-2053.7万となり過去最大の減少幅を記録しました。

下のチャートは、過去15年間の年間ベースの累計の非農業部門雇用者数の推移を表しています。今年は4月までの累計ですが、ここまで-2095.3万人の雇用消失となっており、赤い点線で囲った2011年から2019年にかけて増加した分をほぼ1ヵ月で消失してしまったことになります。

リーマンショックの影響で2008年から2009年にかけて-860.4万人の雇用が消失しましたが、消失分を回復するのに緑色の点線で囲まれた2010年から2014年5月までの約4年半の時間を要しています。リーマンショック時と比較すると、今回の労働市場への影響がいかに大きかったのかがよくわかります。

しかし、今回の雇用消失の大半は一時的なレイオフであり、現状では徐々に経済活動が再開されており、再雇用も進んでいる状況です。ここから、さらに経済活動が回復し、消失分の回復も進めば、前回のような数年にわたる影響にはなり難いとも考えられます。

※出所:データを基にSBILMが作成

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