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2024-11-04 08:34:42

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2020年5月29日

マーケットトピックス 2020年5月29日

前営業日トピックス

経済活動再開の動きが世界的に進んでおり、景気回復期待を背景に米主要株価指数が上昇したことを受けて、日経平均株価も上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ドル/円は一時107.91まで上昇したものの、108円台に近づいたことから売り圧力も強まり、上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価は、終盤に前日比500円超の上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、中国全人代で香港国家安全法の制定方針を採択との報道を受けて、米中対立激化の懸念も強まり、リスク回避の動きが強まった。

米国市場では、世界的に経済活動の再開が進んでいることが好感され、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、米国債利回りの上昇もあり、一時107.82まで上昇した。しかし、その後ドルはユーロやポンドなどに対して下げ幅を拡大したことから、対円でも軟調な動きとなり、107.57まで下落した。終盤には、トランプ米大統領が29日に対中政策に関する会見を実施するとの報道を受けて、米中対立激化への懸念が高まり、上昇していた米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。

米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比210ドル高まで上昇した。終盤には下落に転じ、189ドル安まで下落する場面もあり、147ドル安(-0.58%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、43ポイント安(-0.46%)で終了した。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)前日の海外市場終盤の流れを受けて、ドル円・クロス円は底固い展開で始まった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことも下支え要因となり、ドル/円は一時107.90まで上昇した。ただ、前日の海外市場の高値(107.95)や、最近の上値抵抗とされる108円台に近づいたことから売り圧力も強まり、ドル/円は失速した。

(2)香港や中国株が下落に転じて下げ幅を拡大したことや、日経平均株価が上げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が終盤に一時前日比507円高まで上昇したこともあり、ドル・円クロス円は底固い動きとなった。その後、中国全人代で香港国家安全法の制定方針を採択との報道を受けて、米中対立に対する懸念を背景にドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。

(3)米国市場では、世界的に経済活動の再開が進んでいることから、景気回復に向かうとの期待感を背景に投資家のリスク志向も改善しており、安全資産とされるドルや円が売られた。ドル/円は、米国債利回りの上昇もあり、序盤は107.82まで上昇した。ただ、その後は米国債利回りが低下したことや、ユーロやポンドなどに対してドルの下げ幅が拡大したこともあり、ドルは対円でも上値の重い動きとなり、一時107.57まで下落した。

(4)ドル/円は上値の重い動きが続いたものの、ユーロは欧州委員会が提案した復興基金案が引き続き押し上げ要因となり、対ドルで3/30以来、対円で3/31以来の高値を付けた。その後、トランプ米大統領が29日に対中政策に関する会見を実施するとの報道を受けて、米中対立激化への懸念が高まり、上昇していた米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことに加え、米国債利回りの低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。

本日のトピックス

中国全人代で香港国家安全法の制定方針が採択されたことを受けて、トランプ米大統領が29日に対中政策に関する会見を開くと公表されたことから、米中対立激化への懸念が高まり、米主要株価指数が下落に転じるなど、リスク回避の動きが強まった。ドル円・クロス円は軟調な動きとなったものの、反応はやや限定的だった。

マーケットでは、トランプ米大統領の会見で出される政策に注目が集まっており、内容を見極めたいとの様子見ムードも強まっている。一連の流れの中では株式市場に加え、豪ドルが比較的敏感に反応していることから、特に注目したい。

なお、ドル/円は引き続きレンジ内の動きが続いているものの、やや軟調な動きとなり、レンジ下限の107.30台まで下落していることから、下抜けとなるのかどうかも注目されている。

5/29の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
22:45 米国

5月シカゴ購買部協会景気指数

シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
40.0 35.4
前回は市場予想を下回り、2009年4月以来の低水準となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が製造業に打撃を与えていることが示された。今回は、前回から改善が予想されており、ここまで発表された5月の地区連銀指数はいずれも改善していることから、5月には最悪を脱したことが示されるのか注目される。
23:00 米国

5月ミシガン大学消費者信頼感指数

ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
74.0 73.7
前回の速報値は、市場予想を下回ったものの、4月の結果からは若干改善した。新型コロナウイルス感染拡大による景気対策として現金支給などが消費者心理を下支えた。現況指数は改善したものの、期待指数は低下して2013年以来の低水準となった。確報値では上方修正が予想されているものの、修正は小幅と見られている。
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