前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、300円超となったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、五・十日の実需のドル買い観測も押し上げ要因となった。しかし、仲値通過後は、円買い戻しもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間には、欧州主要株価指数が序盤から上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、英国市場や米国市場が休場となり、市場参加者も少ないことから、限定的な動きとなった。一方、米国でも株式市場などの主要市場が休場となり、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な展開で始まった。日経平均株価が序盤から上昇し、一時前週末比324円高でとなったことが押し上げ要因となった。さらに、月末の五・十日ので、実需のドル買いが先行し、ドル/円は一時107.78まで上昇したものの、その後はドル売り・円買いが観測されるなど、売り買い交錯する動きとなった。ただ、仲値通過後は円買いも散発的となり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、ユーロやポンドが対ドルで軟調な動きとなったこともあり、対円でもやや軟調な動きとなった。
(2)経済活動再開への期待が世界各地で高まる一方で、米中対立の激化懸念などリスク回避の動きも意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ユーロはドルや円に対して軟調な動きとなり、対ドルで一時5/18以来の安値となった。しかし、その後は欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、底固い動きとなった。
(3)米国市場はメモリアルデーの祝日で主要市場が休場となり、新規材料に乏しく市場参加者も少ない中、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きに終始した。ドル/円は上下6銭と非常に狭いレンジ内の動きとなった。
本日のトピックス
世界各地で経済活動再開への動きが見られ、経済の回復期待も高まる一方、米中対立の激化懸念も高まっており、リスク回避の動きが意識されながらの展開となっている。そのため、関連する報道や要人発言には敏感に反応する可能性も考えられる。
休場明けの本日の米国市場では、5月の消費者信頼感指数、4月の新築住宅販売件数の発表が予定されている。前者は5月の統計で改善が期待されており、改善となれば景気回復への期待感が高まる可能性も考えられる。後者は4月の統計であり、悪化が織り込み済みであることから、予想通りの悪化でも反応は限定的だろう。
一方、昨日のアジアや欧州の主要株価指数が上昇となり、本日の日経平均株価も序盤から200円超の上昇となっていることもあり、連休明けの米株式市場の動きにも注目したい。
5/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月消費者信頼感指数
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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87.0 | 86.9 |
前回は市場予想を下回り、2014年6月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染抑制策で雇用や所得への懸念が強まったことが影響した。期待指数は改善したものの、現況指数は大幅低下となり、2013年12月以来の低水準となった。今回は、改善が予想されており、4月にボトムアウトしたことが示されるかどうかに注目。さらに、現況指数の改善が見られるのかにも注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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48.0万件 | 62.7万件 |
前回は市場予想を下回る結果となり、2019年5月以来の低水準となった。新型コロナウイルス感染拡大で米住宅市場に大きな影響を与えたことが示される結果となった。今回は4月の統計結果であり、一段の減少が予想されている。予想通りの結果なら2015年9月以来の低水準となることから、結果に注目したい。 |