前営業日トピックス
前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ドル/円は仲値公示にかけて堅調な動きとなり、一時107.76まで上昇したものの、臨時の日銀金融政策決定会合の発表後に円買いが優勢となったことや、日経平均株価が一時前日比200円超の下落となったこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、中国の全人代(全国人民代表大会)で2020年のGDP目標の発表が見送られたことも圧迫要因となった。その後、中国や欧州株が大きく下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米国市場では、米中対立の激化懸念を背景に、投資家のリスク回避の動きからドル買いが先行し、ドル/円は一時107.65まで上昇まで上昇した。その後、米株式市場が軟調な展開で始まったこともあり、ドル/円は107.46まで下落する場面もあったが、メモリアルデーの3連休を控えて、手掛かり材料も乏しく、終盤まで限定的な動きが続いた。一方、ユーロは対ドルで軟調な動きとなったことに加え、ロンドンフィキシングにかけてユーロ売りも観測され、ドルや円など主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比180ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、終盤にプラス圏まで上昇したが、8ドル安(-0.04%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは39ポイント高(+0.43%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が上値の重い展開で始まったものの、ドル円・クロス円も底固い動きが続いた。さらに仲値公示にかけて実需のドル買いも観測されたこともあり、ドル/円は一時107.76まで上昇した。
(2)日銀が臨時の金融政策決定会合で、金融機関向けの新たな資金供給手段を決定したが、一部海外勢が追加緩和観測で円を売り仕掛けていた向きの失望の手仕舞い観測から円が買われる場面もあったが、反応は限定的だった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比217円安まで下落したことや、22日から開催の中国の全人代(全国人民代表大会)で2020年のGDP目標の発表が見送られたことが嫌気され、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。さらに、米10年債利回りが0.672%から0.638%まで低下したことからドル/円は107.41まで下落、また時間外取引のNY原油が5%超の下落となったことから、資源国通貨の豪ドルやカナダドルもドルや円に対して軟調な動きとなった。
(3)中国が香港の統制を強化する法案制定の審議を始めたことを受けて、中国や香港株が大幅下落となったことや、欧州主要株価指数が序盤から大きく下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。その後、値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
(4)米国市場では、中国が全人代(全国人民代表大会)で香港の統制を強化する法案制定の審議を始めたことに対して、トランプ米大統領が非常に強い対応をとるとしたことで、米政府や議会が対中強硬姿勢を強めとの思惑から、米中対立の激化懸念を背景に投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル買いが先行した。ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時107.65まで上昇まで上昇した。一方、ユーロは対ドルで軟調な動きとなったことに加え、ロンドンフィキシングにかけてユーロ売りも観測され、ドルや円などの主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、米株式市場が軟調な展開で始まったこともあり、ドル/円は107.46まで下落したものの、メモリアルデーの3連休を控えて、米債券市場が短縮取引となるなど、手掛かり材料も乏しく、終盤まで限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
週明けの日本市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前週末比で300円を超える上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。終盤まで株価の堅調な動きが続くのか注目される。一方、欧州市場ではドイツのGDP、IFO景気指数の発表が予定されており、結果がユーロの動きに影響する可能性もあることからこちらの結果にも注目したい。
ただ、本日は英国市場(Spring Bank Holiday)と米国市場(Memorial Day)が休場となることから、海外勢の市場参加者が少ないことが予想されることから、限定的な動きとなる可能性も考えられる。