前営業日トピックス
アジア市場では、日本市場の休場で新規材料に乏しい中、全般的に小動きの展開となった。その中でドルが主要通貨に対して下落したことから、ドル/円は軟調な動きが続いた。海外市場に入り、ドルの下落が一服して値を戻したものの、米国市場では序盤に発表された第1四半期の米GDP速報値が予想以上に弱い内容だったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も反落となった。その後、FOMCの声明で新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の先行き懸念が示されたことや、ゼロ金利維持が表明されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、欧米で経済活動の再開が見られていることや、新型コロナウイルスの治験薬が承認されたとの報道を受けて米主要株価指数が大幅上昇となったことから、クロス円は堅調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比663ドル高まで上昇した。その後はやや上値が抑えられ、532ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、306ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場で新規材料に乏しい中、ドルが主要通貨に対して下落となり、ドルは対円でも軟調な動きが続いた。ドル/円は一時106.36まで下落し、3/17以来の安値を付けた。
(2)ドルの主要通貨に対する下げが一服し、値を戻した。一方、ユーロは対ドルで下落した影響で対円でも軟調な動きとなり、一時115.45まで下落し、2017年4月以来の安値を付けた。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は一時106.77まで上昇したものの、序盤に発表された第1四半期の米GDP速報値が予想以上に弱い内容だったことから、ドルは再び主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も106.52まで押し戻された。
(3)FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見を控えて様子見ムードもあり、ドルは小動きの展開が続いた。一方、欧米を中心に経済活動再開の動きや、新型コロナウイルスの治療薬の臨床試験で有効性が示されたとの報道報道が好感されて米主要株価指数が大幅上昇となったこともあり、クロス円は堅調な動きが続いた。その後、FOMCの声明で新型コロナウイルスの感染拡大による影響で経済活動の先行きに懸念が示されたことや、当面のゼロ金利維持が表明されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、パウエルFRB議長が会見で追加措置が必要になる可能性に言及したことも圧迫要因となった。一方、豪ドルは米ドルと円に対して6営業日続伸となり、対米ドルで3/10以来、対円で3/6以来の高値を更新した。
本日のトピックス
欧米で経済活動再開の動きが見られていることや、新型コロナウイルスの治療薬の臨床試験で有効性が示されたとの報道が好感されて、昨日の米主要株価指数が軒並み大幅上昇となり、休場明けの東京市場でも日経平均株価が3/9以来の2万円台回復するなど、リスク回避の動きがやや後退している。その中で特に豪ドルは、米ドルや円に対して6営業日続伸となっており、株高を背景に引き続き堅調な動きとなるのかどうかが注目されている。
欧州市場では、ドイツの雇用統計、ユーロ圏の主要な経済指標発表やECB理事会の結果発表が予定されている。一方、米国市場では、4/25までの週の新規失業保険申請件数の発表が予定されている。市場予想では、前回からさらに減少が予想されているが、4/22に長期閉鎖が続いているディズニーワールドの従業員およそ10万人がレイオフされており、ピークアウトしたとの見方は時期尚早との見方もあることから、結果が注目される。
4/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(4/25までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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350.0万件 | 442.7万件 |
前週は市場予想を下回ったものの、依然として高水準となり、5週間の合計は2645万件に達した。5週間の申請件数を失業者とした場合、単純計算で失業率は16%となり、今回分を加えればさらに高い失業率となる。ただ、ピークからは3週連続の減少で、今回も一段の減少が予想(350万件)されていることから、結果が注目される。 | ||||
22:45 | 米国 |
4月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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37.7 | 47.8 |
前回は市場予想を上回ったが、昨年8月以来の高水準となった2月の結果からは低下した。前回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響がそれほど反映していなかったものの、今回は、大きく影響すると予想されており、予想通りなら2009年5月以来の低水準となることから注目したい。 |