前営業日トピックス
前日の海外市場後半の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。実需のドル買い・円売りも観測され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は底固い動きが見られたものの、日経平均株価が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。しかし、週末で新規材料に乏しい中、全般的に小動きの展開が続いた。その中で、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いており、対円で2017年4月以来の安値まで下落した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は序盤高値の107.67から軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は終盤に107.37まで下落したものの、前日安値の107.35は下回らなかった。一方、ユーロ欧州時間に付けた安値から反発となり、ユーロ/円は2017年4月以来の安値となる115.55から116.30まで反発する場面もあった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤からやや上値の重い動きとなり、前日比97ドル安まで下落した。その後は堅調な動きとなり、終盤には一時310ドル高まで上昇し、260ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは139ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しく、全般的に小動きの展開となった。翌日25日が土曜日であり実質的な五・十日であることから、実需のドル買い・円売りも観測され、ドル円・クロス円は仲値公示にかけて底固い動きとなった。ドル/円は一時107.76まで上昇したものの、仲値通過後は日経平均株価が下落したこともあり、上値の重い動きが続いた。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比254円安まで下落したことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、週末で新規材料に乏しいことや、来週は日銀金融政策決定会合、米FOMC、ECB理事会など、主要中銀の政策発表が予定されており、様子見ムードから積極的な売買が手控えられ、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その中で、23日のEU首脳会議で新型コロナウイルスの経済対策として1兆ユーロの規模の緊急基金設立で合意したものの、詳細の合意が持ち越しとなったことが引き続き材料視され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなり、欧州時間序盤に対ドルで3/24以来の安値となる1.0727まで下落、対円では2017年4月以来の安値となる115.55まで下落した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値107.67から軟調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が底固い動きとなったものの、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の先行き不透明感から安全資産とされる米国債の逃避買いが続いており、利回りが低下したこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は終盤に107.37まで下落したものの、前日安値の107.35を下回らなかった。一方、ユーロは欧州時間に付けた安値から反発となり、ユーロ/円は2017年4月以来の安値となる115.55から116.30まで反発する場面もあった。
本日のトピックス
今週は、本日の日銀金融政策決定会合、29日のFOMC、30日のECB理事会など主要中銀の金融政策発表が予定されており、様子見ムードからやや限定的な動きも予想される。日銀金融政策決定会合では、年80兆円の国債購入額を撤廃し、制限なく購入できるような追加緩和策を決定する可能性があるとの見方も出ており、どのような策が出されるのか注目されている。
米国市場では主要な経済指標の発表がないことから、様子見ムードから限定的な動きが予想される。その中で、やや持ち直した原油先物、米経済活動再開への期待が高まっていることを背景とした株式市場の動きには引き続き注目したい。