前営業日トピックス
海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日銀が来週の金融政策決定会合で追加の金融緩和を検討するとの報道を受けて、ドル/円は108円台を回復したものの一時的な反応に留まった。その後は上値の重い動きが続いたものの、時間外取引で原油相場が上昇したことを受けて、産油国通貨がドルや円に対して上昇する動きも見られた。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことが好感され、ドル買い・円売りとなり、ドル/円は一時108.04まで上昇した。しかし、その後はドルが主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は107.40まで下落する動きとなった。一方、ユーロはドルや円に対して上昇したものの、EU首脳会議で新型コロナウイルス感染拡大による経済対策で詳細合意ができなかったことが嫌気され、ドルや円に対して反落となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比409ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小する動きとなり、39ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは終盤にマイナス圏まで下落し、0.6ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)27日の日銀金融政策決定会合で追加の金融緩和の実施を検討との報道を受けて、円が売られ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比246円高まで上昇したものの、中国株が下落したこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。さらに米国債利回りが低下したことも加わり、序盤の高値である107.87から107.71まで下落した。
(2)下落していた中国株がプラス圏まで上昇したことや、時間外取引の原油先物が序盤の1バレル=13ドル台から16ドル台まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。特に、産油国通貨であるポンドやカナダ・ドル、ノルウェー・クローネなどがドルや円に対して上昇となり、ドルは円に対しても軟調な動きとなった。一方、ドイツやユーロ圏の製造業・サービス業PMIが軒並み低下したことを受けて、ユーロは主要通貨に対して下落となり、対ドルで一時1.0756まで下落して3/24以来の安値を付けた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことが好感され、ドル買い・円売りとなり、ドル/円は一時108.04まで上昇した。しかし、108円台では上値の重い動きとなったことや、原油高を背景にドル売り・資源国通貨買いが強まるなど、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は107.40まで下落した。一方、ユーロは対ドルで欧州時間に付けた安値の1.0756から1.0846まで上昇し、ユーロ/円もNY時間序盤の115.74から116.82まで上昇した。しかし、EU首脳会議で新型コロナウイルス感染拡大による経済対策などを協議したが、詳細について合意できずに終了したとの報道を受けて、ユーロ/ドルは1.0762まで下落、ユーロ/円も115.64まで下落した。
本日のトピックス
原油先物価格がマイナス圏に落ち込んで以降、マーケットでは原油価格の動きが注目されており、特に産油国通貨が敏感に反応する展開が続いている。さらに、産油国通貨の対ドルでの動きがドル/円などにも影響していることから、引き続き原油市場の動きにも注目したい。
米国市場では、3月耐久財受注、4月ミシガン大学消費者信頼感指数簿発表が予想されているが、ともに悪化が予想されており、マーケットでは織り込み済みであることから、反応は限定的と考えられる。ただ、市場予想と大きく乖離する結果となる場合には反応が大きくなる可能性も考えられる。
先週後半から、ドル/円は108円台近辺で上値の重い動きが続いており、昨日の海外市場でも一時108円台乗せとなったものの、その後は失速している。ここまで1週間以上上値の重い動きが続いていることから、この近辺では思惑が交錯して神経質な動きとなっている。ただ、下値も107.50以下では底固い動きが続いていることから、当面は上下どちら側に抜けるのかが注目されている。
4/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-12.0% | 1.2% |
前回は市場予想と一致し、1月の結果から上昇した。国防や輸送機器が伸びたものの、コア資本財が予想以上に落ち込んだ。今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅な低下が予想されているが、マーケットではすでに悪化が織り込まれていることから、反応は限定的だろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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67.9 | 71.0 |
前回の速報値では、市場予想を上回ったものの、2011年12月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、経済活動の停止や、それに伴うレイオフが急増したことが影響した。今回の確報値は下方修正が予想されており、当面悪化が続くとの見方も出ている。 |