前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が下落して始まったものの、仲値公示にかけては実需のドル買い・円売りが観測されたことで底固い動きが続いた。しかし、午後に入り株価が下げ幅を拡大したことや、欧州主要株価指数が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退懸念や原油価格の下落を背景にリスク回避の動きが先行し、序盤からドルが買われた。その後、トランプ米大統領が石油関連の企業への資金援助をする計画を発表したことを受けて、マイナス圏で推移していた5月物の原油価格がプラスに転じたこともあり、投資家の安心感が広がる場面もあった。さらに、民主党の上院院内総務が追加の中小企業の支援策が本日中にも可決が可能との見方を示したことも好感され、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比708ドル安まで下落した。その後、やや下げ幅を縮小したものの、631ドル安(-2.67%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、297ポイント安(-3.48%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。日経平均株価が下落して始まったこともあり、やや上値の重い動きとなった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りなども観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は107.79まで上昇した。
(2)仲値通過後は上昇一服となり、やや上値の重い動きとなった。さらに、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。一方、豪中銀が前回会合の議事要旨を発表したが、豪ドルに目立った反応はなかった。また、朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が手術後に深刻な体調不良に陥っているとの報道を受けて、韓国ウォンが下落となり、ウォン/円は4/2以来の安値まで下落した。その後、欧州主要株価指数が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は一段の下げとなり、ドル/円は前日の安値の107.50を下回り、107.29まで下落した。
(3)米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退懸念や原油価格の下落を背景に、リスク回避の動きが先行し、安全資産とされるドルが買われた。特に原油安により、ポンドやカナダ・ドルなどに対してドルは堅調な動きとなった。その後、トランプ米大統領が石油関連の企業への資金援助をする計画を発表したことを受けて、マイナス圏で推移していた5月物の原油価格がプラスに転じたこともあり、投資家の安心感が広がる場面もあった。
(4)しかし、世界的な景気後退懸念は払拭できず、株価が再び下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、民主党の上院院内総務が追加の中小企業の支援策が本日中にも可決が可能との見方を示したことも好感され、ドル/円は一時107.89まで上昇するなど、クロス円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、注目された原油先物市場においては、5月物が昨日の歴史的なマイナス価格(1バレル=-37.63ドル)から47.64ドル高の1バレル=10.01ドルまで上昇して最終取引を終了した。ただ、前日20ドルを上回っていた6月物は8.86ドル安の11.57ドルとなり、期近5月物に価格を寄せる動きとなった。波乱となった5月物が取引終了したことで、落ち着いた動きとなるのか、引き続き原油市場が注目される。また、原油価格下落の影響で、ポンドやカナダ・ドルなどの産油国通貨がドルや円に対して下落していることから、こちらも注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、原油価格や株価の動きに左右される展開が予想される。原油や株価が上昇となれば、一時的にリスク回避の動きが和らぐ可能性もあるが、依然として新型コロナウイルスの感染拡大の終息の目途が立っていないことから、上値は限定的だろう。