前営業日トピックス
週明けのアジア市場では、ドル/円が序盤に108.52まで上昇したものの、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後には、さらに日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米株価先物市場でダウ先物が下落したことも加わり、ドル/円は108円台割れとなり、107.80まで下落した。ただ、欧州主要市場が休場となる中で下値は限定的となり、ドル/円は再び108円台まで値を戻した。
米国市場では、今週から本格化する米企業決算発表に対する懸念を背景に、米主要株価指数が下落したことが影響し、ドル円・クロス円も序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は一時107.50まで下落したものの、終盤にはナスダックがプラス圏まで上昇するなど、米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は引けにかけて値を戻した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時620ドル超の下げとなった。ただ、その後は下げ幅を縮小して328ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にプラス圏まで上昇して38ポイント高で終了、3営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤にドル/円は108.52まで上昇したものの、時間外取引で米国株先物や原油価格が下落して始まったことや、日経平均株価も一時396円安まで下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は108.00まで下落したが、108円割れとはならなかった。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は値を戻したものの、午後に入り日経平均株価が再び下げ幅を拡大し、前週末比484円の下落となったことから、円買いの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は108.00円台割れとなり、一時107.80まで下落した。その後は、独、英などの多くの欧州市場がEaster Mondayのため休場だったことで薄商いとなる中、やや限定的な動きとなった。
(3)米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企業収益が大幅悪化となると見られたこともあり、今週から本格化する1-3月期の米企業決算発表に対する懸念から米主要株価が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円も序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の107.98から107.50まで下落し、4/2以来の安値となった。しかし、終盤には米主要株価が下げ幅を縮小し、ナスダックがプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は引けにかけて値を戻した。ドルは資源国通貨に対して軟調な動きとなり、豪ドルは対ドルで3/12以来の高値となり、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
先週末から主要な経済指標の発表がなく、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への思惑が材料となった。マーケットでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済指標の悪化はすでに確認しているところだが、米国の企業決算発表を控えて、企業への影響がどの程度なのかが注目されている。その中で、欧州市場がイースターの連休明けとなり市場参加者も戻ってくることから、活発な動きとなる可能性も考えられる。
米国市場では、輸出入物価指数の発表が予定されており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出ていると予想されている。ただ、すでに織り込み済みであることから、反応は限定的だろう。マーケットでは本格化する米企業決算の結果の方に注目が集まっており、本日はJ&J、JPモルガン・チェース、ウェルズファーゴなどの大手企業の決算発表が予定されており、結果が株式市場に影響する可能性も考えられ、その動きが為替市場にも影響する可能性も考えられることから注目したい。
4/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-3.2% | -0.5% |
前回は市場予想を上回ったものの、前月から低下となり、2019年10月以来の大きなマイナスとなった。石油や資材が大幅なマイナスとなったことが影響した。今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅なマイナスが予想されており、予想通りの結果なら2015年1月以来の大幅なマイナスとなる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
豪ドル/円は、堅調な動きが続いたものの、一目均衡表の雲下限を前にしてやや上値の重い動きとなっています。67.687を上抜けたことで、上値目標の計算値は72.235となりますが、ここから雲下限を上抜けて一段の上昇となるのか、雲下限で上値を抑えられて上値の重い動きとなるのか注目されます。
オシレーターのMACDでは、両線上向きが続いており、先行するラインはゼロポイント近辺まで到達しており、両線がゼロポイントを上抜ける展開となる場合には、上昇継続のシグナルとなる形状となることから、先行するラインが失速しないかどうかに注目です。
目先の上値のポイントは、一目均衡表の雲下限ライン(本日が69.052、15日は68.955、16-17日には68.778)となり、ここを上抜ける場合には、雲上限ラインが次のポイントとなります。
下値のポイントは、直近高値を付けた後の安値の68.337、次いでサポートの67.687、転換線の66.714となります。