前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたものの、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りも観測され、ドル/円は一時109.06まで上昇した。午後には、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、上昇して始まった欧州主要株価指数が上げ幅を縮小したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が大幅増加となったことや、FRBが総額2.3兆ドルの緊急支援を打ち出したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、OPECと非加盟国で構成されるOPECプラスの会合で、最大1000万バレルの減産が発表されたが、供給過剰の解消には不十分との見方が広がったことで原油価格が下落に転じ、その影響で主要株価指数も上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比575ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小し、285ドル高で終了して1ヵ月ぶり高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは62ポイント高で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことから上値の重い動きが見られたものの、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りも観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の108.83から109.06まで上昇する動きとなったが、前日の海外市場で付けた109.10には届かなかった。
(2)仲値通過後は上昇が一服となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、上昇して始まったドイツDAX指数がマイナス圏まで下落するなど、欧州主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅増加となり、ここまで3週間の合計が約1680万件となった。さらに、FRBが中小企業の資金繰り支援策として最大6000億ドルの融資のほか、最大5000億ドルの地方政府支援など柱とする総額2.3兆ドルの緊急支援策を発表したことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、OPEC(石油輸出国機構)と非加盟国で構成されるOPECプラスの会合で、最大1000万バレルの減産が発表されたが、供給過剰の解消には不十分との見方が広がり、原油価格が下落に転じたことでエネルギーセクターが下落した影響で、主要株価指数も上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時108.21まで下落し、4営業日ぶりの安値となった。
本日のトピックス
新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中で、FRBが中小企業に対する約2.3兆ドルの緊急支援を打ち出した。ただ、ドル資金の供給拡大はドルにとってややマイナスに作用するとの見方から、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。引き続きドルは上値の重い動きが続くとの見方もあり、値動きに注目したい。
本日の海外市場では、聖金曜日の祝日(Good Friday)のため欧州、オセアニア、カナダ市場などが休場となり、米国市場も一部市場が休場となることから、市場参加者も少なく限定的な動きが予想される。ただ、薄商い故にまとまったフローが入る場合には比較的大きな動きとなるケースもあることから、値動きには注意が必要だろう。
その中で、米国では3月の消費者物価指数の発表が予定されており、今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が反映すると見られており、結果を受けた動きに注目したい。ただ、ここまで米国の経済指標の悪化を目の当たりにしていることから、悪化したとしても反応は限定的と見られている。
4/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
3月消費者物価指数(前月比) ![]()
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
|
-0.3% | 0.1% |
前回は、市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の低下となり、2019年8月以来の低い伸びとなった。コア指数は、前年比ベースで5ヵ月ぶりの高い伸びとなり、物価上昇ペースの加速が示された。今回は、新型コロナウイルスによる影響が色濃く反映されると見られており、大幅な低下が予想されている。予想通りの結果なら、2015年1月以来の大きなマイナスとなることから、結果が注目される。 |