前営業日トピックス
日本市場が祝日で休場となる中、前日の海外市場の流れを受けて、アジア市場ではドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時111.36まで上昇したものの、その後は上値の重い動きとなり、さらにドルが主要通貨に対して軟調な動きとなったこともあり、ドル/円は109.34まで下落する場面もあった。しかし、欧州主要株価指数や米株価先物が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを受けてドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その中で、FRBが資産購入規模を拡大させるとの報道や、米2月の中古住宅販売が13年ぶりの高水準となったこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし カリフォルニア州に続いてニューヨーク州が外出禁を指示したとの報道を受けて、新型コロナウイルスの感染拡大による米景気の悪化懸念が強まり、米主要株価指数が下げ幅を拡大し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から底固い動きとなり、一時前日比444ドル高まで上昇した。しかし、終盤にかけて下げが加速して992ドル安まで下落、913ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、271ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場となる中、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、一時111.36まで上昇した。しかし、111円台ではやや上値の重い動きとなり、その後ドルが主要通貨に対して下落しこともあり、ドル/円は109.34まで下落した。
(2)下げ一服後、ドル/円は底固い動きとなり、欧州主要株価指数が軒並み堅調な展開で始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州株や米株価先物の上昇を背景に底固い動きとなった欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その中で、FRBが資産購入規模を拡大させるとの報道や、米2月の中古住宅販売が13年ぶりの高水準となったこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、一時111.51まで上昇し、2/24以来の高値を更新した。
(4) 前日のカリフォルニア州の外出禁止令に続き、ニューヨーク州が民間企業に対して在宅勤務にするよう命じたことや、全ての住民に外出禁止を指示したとの報道を受けて、米国や世界経済の減速が一段と深刻化するとの懸念が強まった。序盤プラス圏で推移していた米主要株価指数が軒並み下落に転じ、下げ幅を拡大したこともあり、円が買われた。ただ、ドルは欧州通貨やオセアニア通貨に対して上昇したこともあり、対円では底固い動きとなった。一方、EUが欧州の2020年のリセッションは2009年に匹敵の可能性があると警告したことが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して下落し、対ドルでは2017年4月以来の安値を更新した。
本日のトピックス
世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、先週米国ではカリフォルニア州やニューヨーク州で外出禁止が指示されたこともあり、米国経済の減速が一段と深刻化するとの懸念を背景に、米主要株価指数が大幅下落するなど、マーケットの混乱も続いている。そのため、投資家のリスク回避や企業の資産現金化(ドル)の動きも見られ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いている。
しかし、FRBや主要中銀によるドルの流動性供給などの協調行動もあり、先週末からドルもやや上値の重い動きとなっている。ただ、依然として世界的な先行き不透明感が続くと見られることから、ドルは底固い動きが続く可能性も考えられる。
本日の欧米市場では、主要な経済指標の発表がないことから、株式市場などの動きが注目される。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国や地域などの対策などが発表されることも予想されるが、不安や懸念が一段と高まる可能性もあり、その場合にはリスク回避の動きが強まることも考えられる。