前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅下落となったものの、ドル円・クロス円の反応は限定的だった。その後、米国債利回りの上昇に加えて、日経平均株価が午後に入り、下げ幅を縮小したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時106円台まで値を戻した。午後にはやや上値の重い動きとなったものの、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、欧州市場の株高を背景に、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、大幅上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、トランプ米大統領が非常事態を宣言したことで、ダウ平均株価が一時1989ドル高まで上昇するなど、主要株価指数が上げ幅を拡大したことから、リスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米国債利回りの上昇も加わり、ドル/円は終盤に一時108.50まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から前日比1300ドル超の上昇となった。その後、85ドル高まで上げ幅を縮小したものの、終盤には上げ幅を拡大して、一時1989ドル高まで上昇、高値圏を維持して1985ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、673ポイント高で終了した。なお、S&P500は9.2%の上昇となり、2008年10月以来の大幅高となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場での主要株価指数の大幅下落を受けて、日経平均株価も序盤から大幅下落となり、一時前日比1869円安まで下落したものの、為替市場の反応は限定的だった。午後には、日経平均株価が大きく下げ幅を縮小したことや、米株価先物市場でダウ先物が一時700ポイント安から600ポイント高を超える反発となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.719%から0.854%まで上昇したことも加わり、ドル/円は朝方の104.51から106.03まで上昇した。
(2)終盤に日経平均株価が下げ幅を再び拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。なお、東証1部売買代金4兆8923億円となり、2018年2月以来の大商いとなった。欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米ダウ平均株価が序盤から1300ドル強の上昇となったものの、その後84ドル高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。しかし、終盤にトランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて非常事態を宣言したことで、対策が進展するとの期待感からダウ平均株価が一時1989ドル高まで上昇するなど、主要株価指数が大幅に上げ幅を拡大したことから、リスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.829%から1.013%まで上昇したことも加わり、ドル/円は終盤に一時108.50まで上昇した。
(4)NZ中銀が政策金利を0.25%(従来1.00%)に、FRBがFF金利の誘導目標を0.00%-0.25%(従来1.00%-1.25%)への緊急大幅利下げを発表するなど、各国中銀が流動性供給拡充で協調行動するとの見方から、オセアニア市場でドル円・クロス円は大きく下落して始まり、ドル/円は一時105.73まで下落した。
本日のトピックス
先週末にカナダ中銀、本日朝方にNZ中銀、FRBが緊急利下げを実施するなど、各国中銀が金融緩和で経済の下支えを図るとの見方から、ドル円・クロス円は大きく下落している。日本市場では、日銀が金融政策決定会合を前倒しして本日開催(当初は18日-19日)すると発表したことで、マーケットでは会合の内容を見極めようとのムードが広がっており、日経平均株価もやや限定的な動きとなっている。各国の今後の経済対策に加え、今晩のユーロ圏財務相会合で財政政策などの緊急対応が示されるか、G7のオンライン会合での各国の協調体制を確認することができるか注目されている。
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経済の減速懸念を背景に、各国中銀対策を講じており、マーケットではこれを好感しているが、根本的な要因である新型コロナウイルスの感染拡大が収束しなければ、引き続き値動きの荒い動きが続く可能性も考えられることから、各マーケットの動きには十分な注意が必要だろう。
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本日の米国市場ではNY連銀製造業景気指数の結果発表が予定されており、新型コロナウイルスの感染拡大による影響がどの程度影響しているのか注目される。
3/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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5.1 | 12.9 |
前回は市場予想を大きく上回り、昨年5月以来の高水準となった。新規受注が2017年9月以来の高水準、出荷が2018年12月以来の高水準となったことが押し上げ要因となった。今回は低下が予想されており、新方コロナウイルスの影響が出るとの見方もあり、予想以上の低下を予想する向きもあり、結果が注目される。 |