前営業日トピックス
前日の海外市場の大幅上昇が一服し、ドル円クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。その後は一時400円超の上昇となった日経平均株価が上げ幅を縮小したものの、ドル円・クロス円は底固い動きが続き、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、前日の海外時間に付けた高値の111.59を上抜けて、111.85まで上昇した。その後、欧州時間には海外勢のドル買いも加わり一段の上昇となり、ドル/円は112円台乗せとなった。一方、ユーロは対ドルでは2017年4/21以来の安値を更新したが、対円では円売りの流れが影響して2週間ぶりに121円台まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となり、米国経済の底固さが示されたことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時112.23まで上昇し、昨年4/25以来の高値を付けた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済の成長を抑制するとの懸念を背景に米主要株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、引けにかけては米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、特に主要通貨に対して上昇が続いたドルは、対円で再び112円台まで値を戻した。
米株式市場では、ダウ平均株価が一時388ドル安まで下落したものの、引けにかけては下げ幅を縮小し、128ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックも一時180ポイント安まで下落したが、結局66ポイント安まで下げ幅を縮めて終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で大幅上昇となった流れが一服しており、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。日経平均株価が一時前日比405円高となったものの、利益確定のドル売りや実需のドル売りが圧迫要因となった。ただ、仲値公示通過後は再びドル買い・円売りとなり、米10年債利回りが1.581%から1.549%まで低下したものの、ドル/円は111.49まで上昇した。
(2)上昇して始まった中国上海総合や香港ハンセン指数がマイナス圏まで下落となり、日経平均株価も午後に入り上げ幅縮小が加速したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、欧州勢のドル買い・円、ユーロ売りが優勢となり、ドル/円は112.19まで上昇し、2019年4/26以来の120円台乗せとなった。一方、ユーロ/ドルは1.0778まで下落し、2017年4/21以来の安値を更新した。
(3)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、底固い展開で始まった。序盤に発表された2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想外の上昇で2017年2月以来の高水準となったことや、1月の米景気先行指標総合指数が2017年10月の大きな伸びとなるなど、米国経済の底固さが示されたことがドルの押し上げ要因となった。ドル/円は、一時112.23まで上昇し、昨年4/25以来の高値を付けた。しかし、新型コロナウイルスの新たな感染状況が報告され、感染拡大が世界経済の成長を抑制するとの懸念が広がり、米主要株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(4)株価の下落が一服し、米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。主要通貨に対して上昇が続いているドルは、対円で一時111.70まで下落したものの、再び112円台まで値を戻して終了した。
本日のトピックス
昨日のユーロは、円売りとなった恩恵もあり、対円で1/23以来の高値を更新したが、対ドルでは2017年4/21以来の安値を更新した。ユーロ/ドルは、年初の1.1225から1.0778まで下落(約4%)している。その中で、本日の欧州時間にはドイツやユーロ圏の製造業PMIの発表が予定されており、結果が注目される。ドイツやユーロ圏など冴えない指標結果が続いていることで、ユーロ圏経済の先行き不安が台頭していることから、引き続き冴えない結果となる場合には、ユーロ売りに反応する可能性も考えられる。
一方、米国市場では中古住宅販売件数の発表が予定されている。前月からのマイナスが予想されているものの、このところ経済指標の予想外の好転が続いており、楽観的な見方も広がっている。ドル/円は2営業日で2円超の上昇となったことで、マーケットでは高値を警戒する見方も出ており、売り買い交錯する相場展開も予想されている。ただ、欧州や日本の景気後退観測に対して、米国の良好な指標結果が続いたことが押ドルのし上げに要因にもなっており、本日の指標結果次第では一段の上昇も考えられることから、結果に注目が集まっている。
22日-23日にサウジアラビアの首都リヤドでG20(財務相・中央銀行総裁会議)の開催が予定されている。G20を前にIMFがリポートで2020年の世界経済の成長予想を据え置いたものの、新型ウイルスの感染拡大が圧迫要因となるとした上で、加速期が訪れて遅れを取り戻すと見方を示した。G20では新型コロナウイルスの影響が議論されると考えられるが、悲観的な見方が示されるとは考えにくいが、楽観的な見方にもならないと見られており、声明の内容が注目される。特に、内容によっては週明けの動きが左右される可能性もあるだろう。
2/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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545万件 | 554万件 |
前回は市場予想を上回り、2018年2月以来の高水準となった。中西部が前月から減少したものの、そのほかの3地区がいずれも増加したことが影響した。今回は、前月からの減少が予想されているが、昨日発表の住宅着工件数が予想ほど減少しなかったことや、許可件数が2007年以来の高水準となったこともあり、楽観的な見方も多い。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
昨日、ドル円・クロス円が上昇する中で、オセアニア通貨の豪ドルとNZドルは上値の重い動きとなっています。NZドル/円は、日足ベースでレンジ内のもみ合いの展開が続いており、ここからレンジの上下どちら側に抜けるのかが注目されます。
チャート形状では、73.331からの下げ途中の小休止の持ち合いパターンと見ることもできます。小休止パターンなら、ここから7波動目の下げとなり、下限ラインの69.944を下抜けて一段の下げとなる可能性も考えられます。
一方、オシレーターのMACDでは両線上向きで乖離幅の拡大が続いていることから、拡大が続けば堅調な動きが示唆される形状となります。ただ、2月に入り一目均衡表の雲下限ライン近辺で上値が抑えられる展開が続いており、ここの上抜けは容易でないことが伺えます。