前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い展開で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に影響するとの懸念が背景にあり、さらに日経平均株価が400円超の下げとなったことや、休場明けの上海総合が一時8%以上の下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなり、ダウ平均株価が一時前日比370ドル超の上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、1月のISM製造業景況指数が予想以上の改善となったことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は108.80まで上昇した。しかし、米国で2例目の人から人への新型コロナウイルスの感染が発表されたことを受けて、米主要株価指数が上げ幅を縮小し、ドル/円も108.52まで下落した。ただ、ドルはユーロやポンドなどに対して堅調な動きが続いたこともあり、対円でも終盤まで底固い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比374ドル高まで上昇した。その後は下げ幅を縮小し、143ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、122ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。日経平均株価が序盤から大きく下落となり、一時429円安まで下落したものの、その後は下げ幅を縮小したことや、月初の実需のドル買いフローも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.508%から1.535%まで上昇したことを受けて、ドル/円は108.58まで上昇した。
(2)春節明けの取引を開始した上海総合株価指数が大幅下落となったものの、中国人民銀行による大量資金供給で中国株が想定内の下げに留まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の収束見通しが立たないこともあり、上値も限定的だった。
(3)米国市場では、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなったものの、ダウ平均株価が堅調な動きとなり、一時前日比370ドル超の上昇となったことから、底固い動きとなった。さらに、1月のISM製造業景況指数が予想以上の改善となり、6ヵ月ぶりの高水準となったことや、米10年債利回りが1.530%から1.573%まで上昇したこともあり、ドル/円は108.48から108.80まで上昇した。
(4)米国で2例目の人から人への新型コロナウイルスの感染を確認と発表したことを受けて、米主要株価指数が上げ幅を縮小し、米10年債利回りは1.515%まで低下となり、ドル/円も108.52まで下落した。ただ、ドルはユーロやポンドなどに対して堅調な動きが続いたこともあり、対円でも終盤まで底固い動きが続いた。一方ジョンソン英首相は、先週末に離脱したEUとの交渉に関して、EUのルールを受け入れる必要はないと強気な姿勢を示したことで、移行期間内での交渉は進展しないとの見方が広がり、ポンドはドルや円などに対して軟調な動きとなり、特にポンド/円は東京時間に付けた高値の143.11から141.07まで下落し、1/6以来の安値を付けた。
本日のトピックス
引き続き新型コロナウイルスに関する報道にマーケットが反応する展開が続いているものの、欧米の主要株価指数は週末の大幅下落の反動もあり上昇して終了しており、本日の日経平均株価や、昨日休場明けで大きく下落した上海総合指数などの動きが注目される。
米国市場では、米製造業受注の発表が予定されており、大幅な伸びが予想されている。予想通りの結果なら昨年7月以来の大幅な伸びとなる。米製造業関連の経済指標では、先週末のシカゴ購買部協会指数が大幅低下となったものの、昨日のISM製造業景況指数が冴6ヵ月ぶりの高水準まで改善したこともあり、改善への期待感が高まっている。
2/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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1.2% | -0.7% |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月ぶりのマイナスとなり、2019年5月以来の大きなマイナスとなった。航空機が大幅な減少となったことが影響したが、変動の激しい輸送機器を除いた受注は予想を上回り、2019年3月以来の高い伸びとなった。今回は、航空機の改善が押し上げ要因となると見られているが、輸送機器を除いた結果が3ヵ月連続のプラスとなるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
日足ベースの豪ドル/円では、一目均衡表の雲を下抜けたことで三役逆転の弱気シグナルとなり、一段の下げとなっていました。また、オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを下抜けてて下げ継続のシグナルとなっていました。ここから一段の下げとなるのか、底打ちとなるのか注目されます。
73.757を下抜けたことによる下値目標の計算値である72.382(1.382%の下げ)を達成していることや、オシレーターのMACDで両線の乖離幅が縮小に転じていることから、一旦値を戻す動きに転換しつつあると考えられます。乖離幅の縮小が続くのかどうか、また先行するラインの失速が見られるのか、タイミングに注目です。
目先の上値のポイントは、(1)73.30 (2)74.01 (3)74.46(基準線)
下値のポイントは、(1)72.379 (2)72.00 (3)71.72 と考えられます。