前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、日経平均株価がマイナス圏まで下落すると、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。ただ、中国が春節に入り、市場参加者も少ないことから、全般的に限定的な動きとなった。
米国市場では、欧州主要株価の上昇や、好調な米企業決算結果を背景に米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことが影響し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、米国で2例目の新型コロナウイルスの感染者が確認されたとの報道を受けて、感染拡大への懸念が高まり、リスク回避の動きが強まった。上昇していた米主要株価指数が軒並み下落に転じ、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は109.62から109.18まで下落し、1/9以来の安値を更新した。なお、ドル/円は週明けのマーケットで108.73まで下落している。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり前日比128ドル高まで上昇した。その後は、下落に転じて一時316ドル安まで下落したが、終盤に下げ幅を縮小して170ドル安で終了。一方、ナスダックは87ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まり、前日比73円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。しかし、その後は下げに転じてマイナス圏まで下落すると、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドル/円は、109.58から109.42まで下落した。
(2)中国市場が春節で休場となり、香港市場も短縮取引だったことから、アジア市場での市場参加者も少なく、全般的に小動きの展開が続いた。欧州時間には、ユーロ圏、ドイツ、英国の製造業PMIがいずれも市場予想を上回ったことを好感して、ユーロ/円はアジア市場の高値の121.13を上回り、121.27まで上昇、ポンド/円は144.42まで上昇した。しかし、その後は新型コロナウイルスの感染拡大観測や、ECBの金融緩和策の長期化観測、英国の利下げ観測も意識され、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州主要株価の上昇に伴い、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、好調な米企業決算の結果を背景に、主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことも影響した。しかし、米国で2例目の新型コロナウイルスの感染者が確認されたことに加え、ニューヨークでは3人が感染の疑いで検査を受けている一方、フランスでも感染が確認されたとの報道を受けて、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が高まり、リスク回避の動きが強まった。これを受けて、上昇していた米主要株価指数が軒並み下落に転じ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.746%から1.668%まで低下したことも加わり、ドル/円は109.62から109.18まで下落し、1/9以来の安値を更新した。一方、ユーロ/円は120.42まで、ポンド/円も142.72まで下落した。
(4)週明けのアジア市場では、バグダッドの米大使館へのロケット弾攻撃で負傷者が出たとの報道を受けて、リスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円は下落、ドル/円は108.73まで下落し、1/8以来の安値を更新した。
本日のトピックス
米国で新型コロナウイルスの新たな感染者が報告されたことや、ヨーロッパでも感染が報告されたこともあり、感染拡大懸念が広がっている。WHO(世界保健機関)が先週の緊急委員会で緊急事態宣言の発令を時期尚早との判断から見送ったが、今後感染が広がるようなら、宣言をする可能性も考えられる。特に、春節に伴う活発な移動に伴い感染の広がりも懸念されている。そのため、積極的に円を売りにくいことから、やや上値の重い動きが考えられる。さらに中国市場が休場となり、アジア時間での市場参加者が少ないことも影響するだろう。
欧州市場では、ドイツIFO景気動向の発表が予定されており、比較的反応の大きい経済指標であることから、結果が注目される。期待指数は、前回市場予想を上回る結果となり、10年ぶりの低水準となった9月の結果から3ヵ月連続の上昇となり、改善の傾向が続いている。結果を受けて、東京市場序盤に付けた119.94を下抜けるのか、120.49まで上昇し窓埋めとなるのか注目される。
米国市場では、12月の新築住宅販売件数の発表が予定されており、好調が続く住宅関連の経済指標であることから注目されている。今回は前月からの増加が予想されており、予想通りの結果なら昨年9月以来の高水準となり、2007年10月以来の高水準となることから注目されている。良好な結果なら一段の上昇も考えられるが、新型コロナウイルスの新たな感染者などの報道があるようなら、敏感に反応する可能性も考えられる。
1/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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73.0万件 | 71.9万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、10月の結果から増加した。特に、3ヵ月タームの販売は2007年10月以来の高水準となった。住宅ローン金利の低下や約50年ぶりに低い失業率に加え、所得の増加が影響した。今回は、前回を上回ると予想されており、予想通りの結果なら9月に付けた2007年10月以来の高水準と並ぶことから注目されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
豪ドル/円は、日足ベースで一目均衡表の基準線、200日移動平均線を下抜けて一目均衡表の雲下限近辺まで下落しており、ここから雲を下抜けて一段の下げとなるのか、雲下限ラインに沿って底固い動きとなるのか注目されます。
一方、オシレーターのMACDでは、両線が下向きとなっており、目先の軟調な動きを示唆する形状となっています。
目先の下値は、雲下限ライン(本日は73.903)、次いで前回安値の73.76がポイントとなります。そして、73.76を下抜ける場合には、73.449が下値目標の計算値となります。
目先の上値は、①200日移動平均(本日は74.606)、②一目均衡表の雲上限ライン(本日は74.808)、③基準線の75.153がポイントとなります。
気まぐれ投資コラム
円売りポジションは7週間ぶりの高水準に増加したが・・・
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の1/21までの週の取組では、ドルの主要6通貨に対する買い越し額は77.6億ドル(前週66.4億ドル)と、7週間ぶりの高水準に増加しました。米中通商問題や中東情勢の緊張を背景に、円の売り越しが減少していましたが、問題の緩和を受けて、再び円の売り越しが増加しています。ただ、1/21日以降にドル/円は110.20台から108.70まで下落するなど、リスク回避の動きなどから円買いが進んでおり、来週のデータが注目されます。