前営業日トピックス
東京市場では、序盤から小動きとなったものの、豪州の雇用統計の結果を好感して豪ドル/円が堅調な動きとなり、ドル/円や他のクロス円も連れ高となる場面もあった。その後、米下院でのトランプ大統領の弾劾決議案の可決、日銀金融政策決定会合の結果発表、黒田日銀総裁の会見があったが、マーケットでは目立った反応はなかった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み冴えない結果となったことが嫌気され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したこともドルの圧迫要因となった。しかし、ムニューシン米財務長官が、米中通商協議の第1段階の合意は1月初旬にも署名されるとの見方を示したことを受けて、米主要株価指数が上げ幅を拡大したことから、ドル/円も底固い動きとなった。ただ、ポンドはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比142ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。その後は高値圏で推移し、137ドル高で終了、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、59ポイント高で終了し、7営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から小動きの展開で始まった。日経平均株価が下落して始まったこともあり、やや上値の重い動きとなった。その後、豪州の11月雇用統計で、就業者数が市場予想を大きく上回る結果となり、失業率も改善したことが好感され、豪ドルは主要通貨に対して上昇となった。豪ドル/円が上昇したことで、ドル/円や豪ドル/円以外のクロス円も上昇した。
(2)買い一巡後、仲値通過近辺から小幅ながら下げ幅を拡大した。米下院でトランプ大統領の弾劾訴追決議案を賛成多数で可決したが、来月の上院採決では与党・共和党が過半数を占めていることから、否決となる可能性が高いと見られており、反応は限定的だった。一方、日銀は金融政策決定会合で政策の現状維持を決めたが、予想通りの結果だったこともあり、目立った反応はなかった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を上回る結果となったことや、12月のフィラデルフィア連銀景況指数、11月の中古住宅販売件数がともに市場予想を下回り、今年6月以来の低水準に悪化したことが嫌気され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.950%から1.895%まで低下したこともドルの圧迫要因となった。一方、英中銀は、金融政策委員会の結果を公表し金融政策の現状維持を発表したが、前回に続き2人のメンバーが利下げを主張した。早期の利下げ観測もあり、ポンドは上値の重い動きとなった。
(4)ムニューシン米財務長官が、第1段階の合意文書が作成されており、1月初旬にも署名されるとの見方を示したことを受けて米主要株価が上げ幅を拡大し、軒並み史上最高値を更新したこともあり、ドル円は底固い動きとなった。一方、ポンドは引き続き軟調な動きが続き、対ドル、対円でともに12/4以来の安値水準まで下落した。なお、トランプ米大統領の弾劾訴追決議案を可決したが、マーケットへの影響は限定的だった。
本日のトピックス
日銀、英中銀の金融政策などのイベントが終了したことに加え、来週のクリスマス休暇、年末年始の休暇に向けたポジション調整も観測されていることや、積極的な売買も手控えられており、狭いレンジ内の動きが予想される。特に週末であることからもその傾向が高まる可能性もあるだろう。その中で、本日は英国GDP改定値、米国GDP(確報値)の発表などが予定されているが、反応は限定的と考えられる。一方、下落が続くポンド相場や再び最高値を更新した米主要株価指数の動きも注目されており、これらの動きにドル円・クロス円が影響を受ける可能性もあるだろう。
12/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
3Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
|
2.1% | 2.1% |
前回の改定値は、速報値から上方修正された。個人消費は速報値から横ばいだったが、在庫の寄与度がマイナスからプラスに上方修正されたことなどが影響した。確報値では横ばいが予想されており、3四半期連続で2%以上を維持でいるのか注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
99.2 | 99.2 |
前回の速報値は市場予想と一致し、5月以来の高水準となった。4ヵ月連続の上昇となり、米主要株価指数の堅調さが消費者の楽観度を高めているとの指摘もある。現在の景況感、先行きの景況感がともに上昇したことも影響した。今回の確報値は、横ばいが予想されているが、7ヵ月ぶりに100台の大台乗せとなるのか注目したい。 |