前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が300円以上の下落となったことや、アジア株も軒並み下落したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、株価が下げ幅を縮小したことから底固い動きが続いたが、米下院の新疆人権法案可決などを巡り、中国が「米国は代償を払うことになる」と警告したとの報道を受けて、軟調な動きとなった。しかし、米中通商協議の第1段階合意が近づいているとの報道に加え、米国時間にトランプ米大統領が米中通商交渉は非常に順調と発言したことを受けて、米中通商協議の進展期待が再燃し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が軒並み上昇したことや、米国債利回りが上昇したことも押し上げ要因となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比224ドル高まで上昇した。その後はやや下げ幅を縮小したものの、146ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、46ポイント高で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な動きが一服し、序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が下落して始まり、一時前日比335円超の下落となったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、オーストラリアの第3四半期GDPが市場予想を下回ったことが嫌気され、豪ドル/円は74.46から74.11まで下落した。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが1.703%から1.732%まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。中国が米国は新疆法案巡り代償を払うことになると指摘したとの報道を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米中通商協議の第1段階合意が近づいているとの報道を受けて、米中通商協議の進展期待が再燃し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、底固い鵜展開で始まった。序盤に発表されたADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことから、ドルは上値の重い動きとなった。しかし、トランプ米大統領が米中通商交渉は非常に順調と発言したことを受けて、米主要株価指数が軒並み上昇したことや、米10年債利回りが1.729%から1.789%まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、英総選挙で与党有利との楽観的な見方が引き続き材料視され、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円で5/13以来、対ドルで5/7以来の高値を付けた。また、カナダ中銀が政策金利の据え置きを発表し、国内経済は依然底堅いと指摘たことで、カナダ・ドルも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、トランプ米大統領の発言がマーケットを動かし、前日の発言と反対のニュアンスの発言をしたことで、一転して反発となった。日々変わる発言内容にマーケットが振り回されており、引き続き注意が必要だろう。昨日の米経済指標では、ADP雇用統計が予想を大きく下回る結果となったことで、週末の雇用統計の結果に対する懸念も出ている。ただ、ISM非製造業景況指数の雇用指数が改善したことで、やや懸念も半減している。しかし、ネガティブサプライズを警戒する見方もあることから結果には注意したい。
本日の米国市場では、10月の貿易収支、10月の製造業受注指数の発表が予定されており、ともに前月からの改善が予想されている。ただ、米中通商問題や最近の製造業指標の悪化も懸念されており、結果に敏感に反応する可能性もあるだろう。
12/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月貿易収支 ![]()
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-486億USD | -525億USD |
前回は、ほぼ予想通り赤字額が縮小し、4月以来の少ない赤字額となった。対中赤字は、前月比ほぼ横ばいの316.2億ドル、対日赤字額は-19%となり、トランプ米政権が9月に中国からの輸入品に対する制裁関税を拡大したことが影響した可能性が指摘された。今回は、さらに赤字額の縮小が予想されており、予想通りなら2018年6月以来の低い水準となることから注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月製造業受注指数(前月比) ![]()
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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0.3% | -0.6% |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下で5月以来の大きなマイナス幅となった。特に、耐久財がマイナスに落ち込んだことが影響し、変動の激しい輸送機器を除いた受注もマイナスとなった。今回は、3ヵ月ぶりのプラス改善が予想されており、このところの製造業関連の経済指標の悪化が目立っていることから、結果が注目されている。 |