前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなった。日経平均株価が堅調な動きとなったことや、米中通商協議の継続で合意したとの報道を受けて、米中通商協議の進展期待が高まったことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ただ、上昇一服後は株価が上げ幅を縮小したことや、米国債利回りの低下も影響して上値の重い動きとなった。
米国市場では、米中通商協議の進展期待を背景に、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が軒並み史上最高値を更新したことに加え、トランプ米大統領が習近平中国国家主席と通商合意を模索していると発言したこともあり、ドル/円は109.14まで上昇する場面もあった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比79ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。結局55ドル高で終了し、終値ベースで2日連続の最高値更新となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、15ポイント高で終了し、過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が堅調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、中国と米国が11/26に電話協議を実施し、第1段階を巡る話し合い継続で合意したとの報道を受けて、米中通商協議を巡る楽観的な見方が広がり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。さらに、日経平均株価が前日比315円高まで上昇したことも影響し、ドル/円は一時109.20まで上昇した。
(2)ただ、話し合い継続の合意だったことや、月末を控えて109円台前半での輸出企業によるドル売り観測も聞かれ、109円台では上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が終盤に上げ幅を縮小したことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。
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(3)海外市場に入り、改めて米中通商協議の進展期待を背景に底固い動きとなったが、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。米国市場では、米主要株価指数が軒並み史上最高値を更新したこともあり、堅調な動きとなった。
(4)10月の米新築住宅販売件数が市場予想を上回る結果となったものの、11月の消費者信頼感指数が予想を下回ったことや、リッチモンド連銀製造業指数が2ヵ月ぶりにマイナスに低下するなど、まちまちの結果となったことでマーケットの反応は限定的だった。しかし、トランプ米大統領が習近平中国国家主席と通商合意を模索していると発言したこともあり、ドル/円は一時109.14まで上昇する場面もあった。一方、英国総選挙の世論調査で保守党の労働党に対するリードが縮小していることが引き続き材料視され、ポンドはドルや円などに対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米中通商問題などのヘッドライン待ちのマーケットの中で、109円台前半では実需のドル売り圧力が強いとの見方もあり、109円台では上値の重い動きが続く可能性も考えられる。また、本日は米感謝祭前日となることから、ポジション調整の動きが活発になることも予想される。その中で、米国の感謝祭の祝日で米国市場が休場(28日)となり、経済指標の発表が前倒しで発表される。昨日に続き複数の主要な経済指標の発表(GDP、個人消費、耐久財受注、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、米地区連銀経済報告)が予定されており、結果に注目したい。
11/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-0.8% | -1.2% |
前回は市場予想を下回り、5月以来4ヵ月ぶりのマイナスとなった。コア資本財が2ヵ月連続で減少となり、米中通商問題などが企業への圧迫要因となっていると指摘されている。今回は、前回からマイナス幅の改善が見込まれているものの、5月以来の2ヵ月連続のマイナスとなる場合には、懸念が高まる可能性も考えられる。 | ||||
23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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47.0 | 43.2 |
前回は市場予想を大きく下回り、2015年12月以来の低水準となった。景気の判断基準となる50を2ヵ月連続で下回った。今回は、前回から大きく改善が予想されているものの、引き続き50を下回ると予想されており、景気後退傾向が続くと見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
10月中古住宅販売仮契約(前年比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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6.0% | 6.3% |
前回は市場予想を上回り、2015年8月以来の高い伸びとなった。住宅ローン金利の低下が続いていることで、購入意欲が高まっているとみられる。前月比ベースでも市場予想を上回る伸びとなった。今回は、前月から伸び幅の低下が予想されているが、依然として高い伸びが続くと見られており、堅調さが維持されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ド/ル円は、一目均衡表の基準線、転換線を再び上回り、底固い動きとなっています。ここから堅調な動きが続くのかどうかが注目されます。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしていることもあり、底固い展開が続く形状となっています。
目先の上値の目標は109.49となり、109.49を上抜けた場合の上値目標の計算値は109.84となります。一方、下値のポイントは、基準線の108.69となります。