前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価の下落や米国債利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。ただ、下げ一服後は、株価が値を戻したこともあり、ドル円・クロス円も下げ幅を縮小した。その後、欧州主要株価指数や米株価先物が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円堅調な動きが続いた。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じたことや、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時108.45まで下落したものの、その後は株価が下げ幅を縮小したこともあり、引けにかけては底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が取引開始直後に取引時間中の最高値を更新したが、その後は下落に転じて上値の重い動きとなり102ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは20ポイント高で終了し、3営業日連続で最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国政府が米国との通商問題を巡り悲観的なムードになっているとの報道や、トランプ米大統領がパウエルFRB議長と会談し、マイナス金利やドル高について話し合ったことを受けて、ドル売り・円買いとなった流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。日経平均株価が下落して始まり、一時前日比171円安まで下落したことや、米10年債利回りが1.811%から1.796%まで低下したこともドル円・クロス円の圧迫要因となった。一方、豪中銀の議事要旨がハト派な内容と受け止められたことで豪ドルが下落となり、豪ドル/円は73.90から73.59円まで下落した。
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しに加え、下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが再び1.811%まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、海外時間に入り、欧州株や米株価先物が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州時間に108.83まで上昇した後にやや軟調となった流れを引き継ぎ、序盤のドル/円は上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まったダウ平均株価が前日比141ドル安まで下落するなど、米主要株価指数が軒並み下落に転じたことや、米10年債利回りが1.820%から1.775%まで低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時108.45まで下落した。
(4)下落した米主要株価指数が下げ幅を縮小したことなどもあり、ドル円・クロス円は終盤まで底固い動きが続いた。また、トランプ米大統領が中国は取引に応じるしかなくなると発言したものの、反応は限定的だった。その中で、英保守党ジョンソン首相と労働党コービン党首のテレビ討論を控えて、ポンドはやや上値の重い動きとなった。一方、カナダ中銀の上級副総裁が世界の背景事情が悪化したとのハト派的な見解を示したことを受けて、カナダ・ドルは米ドルや円などの主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
朝方、米上院で香港人権法案が可決との報道を受けて、ドル/円・クロス円は下落する場面もあったが、米中通商問題に影響(中国側の反発、米国側の交渉カードにするとの思惑)するとの懸念も加わっている。本日は、米国の主要な経済指標の発表がないものの、10月の米FOMCの議事要旨が公表される予定となっており、10月のFOMCでは3会合連続の利下げが決定されたが、今後は利下げサイクルの終了(いつまでか、再利下げの可能性など)となるのかどうか、議論の内容が注目されている。ちなみに、金利先物市場では12月の利上げ予想確率が4%、来年4月までは50%以下で推移している。
11/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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4:00 | 米国 |
FOMC議事要旨[10月29-30日分] |
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10月のFOMCでは、FF金利の誘導目標の引き下げを決定、3会合連続の引き下げとなった。利下げ決定に関する議論の詳細が注目されており、現状では当面追加利下げはないとの見方が優勢となっているが、今後の金融政策の行方を見る上で議論の内容が注目されている。 |