前営業日トピックス
東京市場では、米中通商問題の進展期待を背景に堅調な動きとなった前週末の海外市場の流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。序盤マイナス圏で推移した日経平均株価が堅調な動きとなったことに加え、実需のドル買いも観測され、ドル/円は堅調な動きも見られた。ただ、前週末の海外市場の高値と面合わせとなり、上抜けなかったこともあり、その後は上値の重い動きが続いた。
欧州時間には、英国の世論調査結果を好感してポンドが上昇したことや、米中通商問題に対する期待感を背景にドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109円台まで上昇、ポンド/円は141.57まで上昇し5/21以来の高値を付けた。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、序盤はやや上値重い動きとなった。その後、米中通商協議を巡り中国の政府内で悲観的なムードが広がっているとの報道を受けて、通商協議の第1段階の早期合意への期待感が後退し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米主要株価指数や米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は一時108.51まで下落した。その後、下落していた米主要株価指数が軒並み上昇に転じ、最高値を更新したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤からやや軟調な動きとなり、一時前週末比35ドル安まで下落した。その後は底固い動きとなり31ドル高で終了し、取引時間中と終値ベースの最高値を更新した。一方、ナスダックも9ポイント高で終了し、最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時108.67まで下落したものの、前週末の米国市場の安値108.64まで下げなかったこともあり、その後は値頃感の買い戻しも入り、底固い動きとなった。さらに、序盤軟調だった日経平均株価が堅調な動きとなり、112円高まで上昇したことに加え、週明けの実需のドル買いも散見され、ドル/円は108.85まで上昇した。
(2)前週末の海外市場の高値108.85を上抜けなかったことから上昇一服となり、その後は上値の重い動きが続いた。しかし、欧州時間に入り、最新の英世論調査で保守党の優勢が改めて材料視されてポンド買いが強まり、ドル円やその他のクロス円も連れ高となった。ポンド/円は141円台まで上昇し、5/21以来の高値となった。また、先週末に米中両国が閣僚級の協議を実施し、第1段階の合意に向けて建設的な議論が行われたと新華社通信側が報道したことも押し上げ要因となり、ドル/円は109.07まで上昇した。
(3)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、やや上値重い動きとなった。その中で、米中通商協議を巡り中国の政府内では悲観的なムードが広がっているとの報道を受けて、早期合意への期待感が後退し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領がパウエルFRB議長とマイナス金利やドルについて協議したと明らかにしたこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は一時108.51まで下落した。
(4)米政府が中国通信機器大手ファーウェイの輸出禁止措置を巡り、一部猶予期間をさらに90日間延長すると発表したことで、下落していた米主要株価指数が軒並み上昇に転じ、主要3指数がいずれも最高値を更新したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
最近のマーケットでは、ヘッドライン待ちの状態となっており、要人発言や報道を受けて動きが出るケースが続いている。特に、米中通商問題に関するヘッドラインには敏感に反応しており、昨日もマーケットは敏感に反応した。ただ、報道にやや過敏になりすぎているとの指摘も多いが、当面は一喜一憂する展開が続くだろう。マーケットの注目が米中通商問題に向いていることから、経済指標の結果に対する反応はやや限定的となっている。本日は米住宅着工件数、建設許可件数の発表が予定されており、比較的重要度の高い経済指標である。ただ、このところの指標発表時の動きを見ても市場予想と大きく乖離する結果とならなければ、反応は限定的であることから結果には注目したい。
11/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
132.0万件 | 125.6万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、12年ぶりの高水準となった8月から低下した。一戸建て住宅は増加したものの、集合住宅が大幅な減少となったことが影響した。ただ、過去1年間、今年ここまでの平均をいずれも上回っており、住宅市場の堅調さは維持された。今回は、前月からの増加が予想されており、引き続き堅調さが維持されると予想されている。 |