前営業日トピックス
米中通商協議の第1段階の合意の取りまとめに近づいているとクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が発言したことが好感され、通商協議の進展期待が高まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が高値圏を維持したことや、米国債利回りの上昇もあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。海外市場では、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長の発言に次いで、ロス商務長官も米中通商協議の第1段階の合意に関して楽観的な見方を示したことで、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が軒並み最高値を更新したことも影響した。ただ、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったこともあり、ドルは主要通貨に対してやや軟調な動きとなり、ドル/円の上値は限定的だった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比222ドル高となり、初めて28000ドル台乗せとなった。一方、ハイテク株中心のナスダックは61ポイント高で終了するなど、主要3指数はいずれも最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中通商協議の第1段階の通商合意が難航しているとの英紙の報道を受けて下落した海外市場終盤の流れを引き継ぎ、東京市場では序盤からやや上値の重い動きとなった。しかし、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、米中貿易協議の第1段階の合意に関して取りまとめに近づいていると発言したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなったが、日経平均株価が前日比200円高に迫る上昇となったことや、米10年債利回りが1.827%から1.851%まで上昇したこともあり、底固い動きが続いた。
(3)ロス商務長官がインタビューで、米中通商協議で第1段階の合意が確実に決定されるとの見方を示し、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長に次いで米中通商協議に対する楽観的な見方を示したことで、リスク回避の動きが意識された。これを受けて、米主要株価指数が軒並み最高値を更新し、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ただ、序盤に発表された10月の米小売売上高が市場予想を上回ったものの、11月のNY連銀製造業景気指数が市場予想を下回ったことや、10月の鉱工業生産が2ヵ月連続のマイナスとなったことが影響し、ドルは上値の重い動きとなり、ドル/円も108.85までの上昇に留まった。
(4)ドルは、ユーロなどに対して上値の重い動きが続いたこともあり、ドル/円はやや上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
米中通商協議に関して、先週末に米要人が相次いで第1段階の合意に楽観的な見方を示したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。今回第1段階の合意ではあるものの、楽観的な見方が示されたことで進展期待が高まったが、先週の英紙報道(米国が対中関税を発動する12/15までに合意できない可能性がある)もあったが、先週末の要人も合意の期限に関しては言及していなかったことから、当面は12/15までに合意ができるのかどうかが注目のポイントと考えられる。さらに、これまで要人発言や報道で方向性が一転するケースも多々あったことから、当面は合意があるまでは引き続き神経質な展開が続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、主要な経済指標委の発表がないものの、米中通商問題の進展期待を背景とした株価の上昇が続いており、主要3指数の最高値を更新が続くのか注目されている。
11/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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71 | 71 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2018年2月以来の高水準となった。一戸建ての販売の現況指数は2018年1月以来、見込み客足指数は2018年2月以来の高水準となった。住宅ローン金利低下などが影響した。今回は、前回から横ばいが予想されており、堅調が維持されると見られている。 |