前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が底固い展開で始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、実需のドル買い・円売りが観測されたことも影響した。その後はやや上値の重い動きとなったものの、午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。注目されていたトランプ米大統領の演説では、金融政策に関してさらなる利下げが改めて要求されたこと、また米中通商問題で部分合意についてマーケットが注目していた日程など詳細も示されなかったことに影響され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比79ドル高まで上昇した。その後は利益確定の売りに押されて一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、2014年4月以来、約5年7ヵ月ぶりに前日比横ばいで終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、21ポイント高で終了し、過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、日経平均株価が堅調な展開で始まったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りも観測され、ドル/円は109.18まで上昇した。
(2)仲値通過後は実需のドル買いも一服し、やや上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった香港ハンセン指数や上海総合がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が引けにかけて上げ幅を拡大し、一時前日比200円以上上昇したほか時間外取引で米10年債利回りが1.913%から1.955%まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109.29まで上昇した。
(3)上昇一服でやや上値の重い動きとなったことや、上昇していた米国債利回りが低下したこともあり、ドル/円はやや上値の重い動きとなった。
(4)NY市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく、トランプ米大統領の演説を控えて様子見ムードも強まっていた。演説では、FRBの金融政策を批判し、さらなる利下げが改めて要求されたことや、米中通商問題に関して部分合意についてマーケットが注目していた日程など詳細も示されなかったことから、一部でやや悲観的な見方も広がり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、英総選挙に関する調査会社の世論調査で、野党労働党の支持率が28%に対し、与党保守党の支持率が42%と保守党が優勢だったことが好感され、ポンドは対ドルなど主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
欧州市場では、ドイツの消費者物価指数の発表が予定されている。前回は前年比ベースで3ヵ月連続の低下で2018年2月以来の低い伸びとなっており、改善がみられるのか注目されている。
米国市場では、10月の消費者物価指数の発表が予定されている。前回は前月比・前年比ともに市場予想を下回り、前月比では今年1月以来の横ばいとなった。今回は改善が予想されており、結果が注目されている。また、パウエルFRB議長の議会証言も予定されている。前日にトランプ米大統領がFRBの金融政策を批判し、さらなる利下げを改めて要求したこともあり、金融政策に関する発言の内容が注目されている。
11/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.0% |
前回は市場予想を下回り、今年1月以来の横ばいとなった。中古車価格が-1.6%、新車価格が3ヵ月連続の低下となったことが影響した。また、食品とエネルギーを除くコア指数や前年比ベースでも市場予想を下回る結果となった。今回は、前月比で上昇、前年比で横ばいが予想されており、今後の金融政策を予想する上での一つの指標となることからも結果に注目したい。 |