前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて序盤から上値の重い動きとなった。プラス圏まで上昇した日経平均株価が再びマイナス圏まで下落したことや、米国債利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後、米中が段階的な関税撤回に合意したとの報道を受けて、通商合意に楽観的な見方も広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109円台まで上昇した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米中双方の関係者が、関税を段階的に撤回することで合意したと明らかにしたことを受けて、米中通商協議の進展期待が高まり、投資家のリスク志向の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時109.49まで上昇し、5/31以来の高値を付けた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比282ドル高まで上昇した。終盤にはやや上げ幅を縮小したものの、182ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、23ポイント高で終了した。ダウ平均とS&P500は、ともに終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中の第1段階の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があるとの米政府高官の発言が報道されたことを受けて、軟調な動きとなった海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、プラス圏まで値を戻した日経平均株価が再びマイナス圏まで下落したことや、10年債利回りが1.8169%から1.8014%まで低下したことも影響し、ドル/円は108.65まで下落した。
(2)日経平均株価がプラス圏まで上昇して終了したこともあり、底固い動きとなった。その後、米中が第1段階の通商合意ができれば、段階的な関税撤回に合意との報道を受けて、米中通商合意に楽観的な見方が広がり、ドル円・クロス円は上昇となった。さらに、米株価先物が大きく上昇したことや、米10年債利回りが1.8549%まで上昇したこともあり、ドル/円は一時109.12まで上昇した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。一方、英中銀は金融政策委員会で政策金利の据え置きを決定したが、2人が利下げを主張したことや、カーニー総裁や複数の委員がEU離脱をめぐる影響が継続するようなら利下げも検討するとの見解を示したことが明らかとなり、ポンドはドルや円に対して下落した。
(4)欧州時間では、中国が段階的な関税撤回に合意したと発表し、米中通商協議の進展期待が高まったが、米国時間でも米政府当局者の第1段階の合意に関税撤回含まれるとの発言が報道されたことが好感されて米主要株価が上昇となり、ドル円・クロス円も堅調な動きが続いた。さらに、米10年債利回りが1.872%から1.971%まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時109.49まで上昇し、5/31以来の高値を付けた。
本日のトピックス
11/6に米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があるとの報道で下落したものの、米中双方が段階的な関税撤回に合意したと発表したことから、米中通商協議の進展期待を背景にドル円・クロス円は堅調な動きとなった。現時点では、「第1段階」の合意がされればとの条件が付いており、「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性は払拭されていない。ただ、遅くとも次の関税発動の12/15までには合意に達するとの見方は依然として根強い。そのため、株式市場やドル相場は底固い動きが続く可能性が考えられる。ただ、関係者の発言など、ヘッドラインで一喜一憂する展開はまだ続くだろう。
米国市場では、3連休(月曜日はVeterans Dayの祝日で一部市場が休場、株、債券、商品市場はオープン)を控えてポジション調整の動きが出る可能性もあり、やや上値の重い動きとなる可能性も。
11/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.5 | 95.5 |
前回は市場予想を下回ったものの、9月からは上昇し、7月以来の高水準となった。現在の景況感が前月から4.7ポイント上昇したことが影響し、先行きの景況感も0.8ポイント上昇となった。今回の速報値では、前月から横ばいが予想されているが、前月大きく伸びた現在の景況感が引き続き堅調が続き3ヵ月連続の上昇となるのか注目される。 |