前営業日トピックス
日本市場が祝日で休場となり、ドル/円は序盤から狭いレンジ内の動きが続いた。その後は、米国債利回りの上昇もあり、堅調な動きとなる場面もあった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ序盤から堅調な動きとなった。ロス米商務長官が、前日に中国との通商協議に関して楽観的な見通しを示したことを材料に、米中通商問題が進展するとの期待が広がり、米主要株価指数が軒並み最高値を更新する中、投資家のリスク志向か強まり、ドル買い・円売りが優勢となった。ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
一方、米株市域市場では、ダウ平均株価が一時前週末比170ドル高まで上昇し、7/15以来約3ヵ月半ぶりに史上最高値を更新した。終盤にかけてやや上げ幅を縮小したものの、114ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックも史上最高値を更新し、46ポイント高で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で休場となり、新規材料に乏しい中、アジア市場でドル/円は108.19から108.25での狭いレンジ内の動きが続いた。その後、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル/円は108.43まで上昇した。
(2)米国市場では、前日にロス米商務長官が中国との通商協議の第1段階の合意に関して楽観的な見通しを示したことを材料に、米中通商問題が進展するとの期待が広がり、米主要株価指数が軒並み最高値を更新する中、投資家のリスク志向か強まり、ドル買い・円売りが優勢となった。さらに、米10年債利回りが1.743%から1.791%まで上昇したことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は108.65まで上昇した。一方、英総選挙に関する世論調査で与党保守党が議席を減らす可能性が懸念され、ポンドはドルや円に対してやや上値の重い動きとなった。また、トルコの消費者物価指数がさらに低下したことが好感され、トルコ・リラは堅調な動きとなったが、その後は原油価格の上昇や米金利の上昇を背景に失速した。
本日のトピックス
日本市場では、休場明けで新規材料に乏しい中、前日の海外市場の株高を背景に、日経平均株価も上昇しており、ドル円・クロス円は底固い動きが続く可能性が考えられる。
海外市場では、英国の総選挙を控えた世論調査などに敏感に反応する可能性もあるだろう。また、米国市場ではISM非製造業景況指数、求人件数の発表が予定されている。米中通商問題の先行きに楽観的な見通しが広がり、米景気の減速懸念も和らいだとの見方が広がっていることから、予想に反して悪化する場合には影響が出る可能性もあり注目したい。
11/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月ISM非製造業景況指数[総合] ![]()
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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53.4 | 52.6 |
前回は市場予想を下回り、2016年8月以来の低水準となった。新規受注が2016年8月以来の低水準、雇用もここ5年間で最低となるなど、世界的な減速と貿易問題が影響しているとの懸念が広がった。今回は、前回から改善が予想されており、前回大きく低下した新規受注、雇用の改善があるのか注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
9月JOLT労働調査[求人件数] ![]()
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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706.3万件 | 705.1万件 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月連続の低下で2018年3月以来の低水準となった。依然として高水準ではあるものの、昨年11月に過去最高となって以降は減少傾向が続いており、全般的に減速していることが示されている。今回は、前回から若干の増加が予想されており、減少傾向が止まるのか注目したい。 |