前営業日トピックス
東京市場では、序盤から狭いレンジ内の動きが続いた。途中、五・十日の実需のドル買い・円売りフローも観測され、ドル円・クロス円は動きが出たものの、値動きは限定的だった。特に、ドル/円は上下15銭程度の動きとなった。
米国市場では、アジア市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。その中で、米中閣僚級の電話協議が実施され、第1段階の部分合意に近づいているとの報道が下支えし、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、英国のEU離脱延期に関するEUの会合で、延期後の期日が示されなかったことから、ポンドとユーロは上値の重い動きとなった。
ダウ平均株価は、序盤に39ドル安となったものの、その後は堅調な動きとなり、一時前日比209ドル高まで上昇する場面もあった。終盤にかけてはやや上げ幅を縮小する動きとなり、152ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは57ポイント高で終了し、またS&P500は一時過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。実需の売買が集中する五・十日であることから、実需のドル買い・円売りも観測され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、上値は限定的だった。
(2)底固い展開で始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。さらに、日銀短観で大企業製造業想定レートが108.68円に設定されており、この近辺では実需の売りも出やすいとの見方が広がっていることも上値の圧迫要因となった。
(3)アジア市場の流れを引き継ぎ、米国市場のドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。米中が閣僚級の電話協議を実施し、第1段階の部分合意が近づいているとの報道が好感され、米主要株価や米国債利回りが上昇した。さらに、ナバロ米大統領報道官が「本日の米中協議は素晴らしいものだった」と発言したことも伝わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、英国のEU離脱延期に関するEU加盟27ヵ国の最終決定が持ち越しされたことから、ポンドとユーロは上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、シカゴ連銀全米活動指数、ダラス連銀製造業活動指数の発表が予定されているものの、重要度の高い経済指標でないことや、10/30にFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見、10/31に日銀金融政策決定会合、11/1には米雇用統計を控えていることもあり、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。さらに10/28-29には英国のEU離脱延期の期間を巡り協議が実施される予定であることから、様子見ムードが強まる可能性もあり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
ドル/円は、目先の高値を更新した後はやや上値の重い動きが続いているが、このもみ合いから上下どちら側に抜けて動き出すか注目されています。オシレーターのMACDでは、両線のクロスが間近となっており、やや軟調な動きを示唆する形状となるか注目です。
レンジの上限は108.937、下限は108.253となり、ここが目先の上下のポイントとなります。