前営業日トピックス
日本市場が祝日で休場となる中、中国株が軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は小動きながら上値の重い動きとなった。ただ、その後に中国株が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤からやや上値の重い動きとなったが、米中古住宅販売件数が前月から減少したものの、リッチモンド連銀製造業指数が予想に反してプラスに改善したことが好感され、ドルは底固い動きとなった。さらに、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。一方、ジョンソン首相のEU離脱協定法案を第2読会で可決したことから、ポンドは一段の上昇となる場面もあったが、英下院がEU離脱協定法案を短期で審議するための動議を否決したことで、月末の離脱が難しくなったことから一転して下落となり、これに連れてドル円や他のクロス円も軟調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から底固い動きとなり、一時前日比119ドル高まで上昇したが、終盤に下落に転じ、39ドル安で終了した。また、ハイテク株中心のナスダックは58ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が「即位礼正殿の儀」の祝日で休場となったほか、新規材料も乏しく、序盤から小動きの展開となった。その中で、中国上海総合指数がマイナス圏で推移したことなどが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、中国が対米報復関税をWTOに申請したことも圧迫要因となった。
(2)マイナス圏で推移していた上海総合が終盤に上昇に転じ、上げ幅を拡大したことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。NY市場では、目立った取引材料がなく、方向感に乏しい中、米国債利回りの低下もあり、序盤からやや上値の重い動きとなった。
(3)9月の米中古住宅販売件数が前月から減少したものの、10月のリッチモンド連銀製造業指数が予想に反してプラスに改善したことが好感され、ドルは底固い動きとなった。さらに、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。一方、ジョンソン首相のEU離脱協定法案を第2読会で可決したことから、ポンドは一段と上昇したが、英下院がEU離脱協定法案を3日間の短期で審議するための議事進行動議を否決したことで、10/31付での離脱が難しくなったことから一転して下落となった。ポンド/円は、141.13から139.53まで下落し、これに連れてドル円や他のクロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
英国のEU離脱問題に関して、当初予定の10月末の離脱の可能性が低下し、離脱延期の可能性が高まっていてるが、短期的な延期となるのか、それとも年末など一定期間の延期となるのかが注目されている。ただ、ジョンソン英首相が、延期が短期でない場合には離脱協定法案を撤回すると発言したこともあり、先行きの不透明感が強まっている。そのため、ポンドの乱高下が続く可能性もあり、引き続き報道や要人発言には十分に注意したい。
米国市場では、新規材料に乏しく、経済指標の結果にも反応は限定的となっている。また、株式市場でも企業の四半期決算の結果に左右される展開が続いており、ドル相場はやや限定的な動きが続く可能性が考えられる。
10/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:00 | 米国 |
8月住宅価格指数(前月比)
米住宅価格指数は、S&Pケース・シラー住宅価格指数と並ぶ、米国の代表的な住宅価格関連の指数。 S&Pケース・シラー住宅価格指数は、サブプライムローンを通じた物件や高額物件など様々な物件を含むのに対して、FHFA住宅価格指数は信用力の高い物件で構成されている。全米9つの区域、各州およびコロンビア特別区、大都市圏の数字が発表される。FHFA=米国連邦住宅金融局(Federal Housing Finance Agency)
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0.4% | 0.4% |
前回は、市場予想を上回り、6月から伸びが加速して以来の2ヵ月ぶりの高水準となった。前年比でも+5.0%と6月の4.8%から上昇した。地域別では、大西洋沿岸中部地方が前年比+3.6%、山岳地域が+7.6%となった。今回は伸び幅の横ばいが予想されるが、引き続き底固い結果が維持されるのか注目されている。 |