前営業日トピックス
東京市場では、序盤やや上値の重い動きとなったものの、トランプ米大統領が関税をめぐり日本と暫定合意を明らかにしたことや、米中貿易交渉の次官級協議を9/19にワシントンで開くと発表したことから、ドル/円は堅調な動きとなった。さらに、3連休明けで輸入企業によるドル買い・円売りが観測されたことも支援材料となった。ただ、その後はやや上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米鉱工業生産が予想を上回ったこともあり、ドルは序盤から底固い動きとなった。その後、米金融当局が市場へのドル資金供給を増やす措置を講じたこともあり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ただ、FOMCを控えて様子見ムードも強まっており、ドルの値動きは限定的だった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に一時前日比92ドル安まで下落したものの、終盤にはプラス圏まで上昇し、小幅反発となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、32ポイント高で終了し、3営業日ぶりの反発となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤のドル円・クロス円はやや軟調な展開となったが、トランプ米大統領が、関税障壁などに関して日本と合意に達したと明らかにしたことや、米通商代表部(USTR)が米中貿易交渉の次官級協議を9/19にワシントンで開くと発表したことから、ドル/円は一時108.36まで上昇し、8/1以来1ヵ月半ぶりの高値をつけた。さらに、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇したことや、3連休明けで輸入企業のドル買い・円売りも観測されたことも押し上げ要因となった。
(2)米10年債利回りが1.845%から1.8152%まで低下したこともあり、ドル/円は108.08まで下落したものの、下値は限定的だった。一方、豪中銀の議事要旨がハト派な内容と受け止められたことで、豪ドルは軟調な動きとなった。豪ドルは対ドルで9/6以来の安値を付ける動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米鉱工業生産が予想を上回ったことや、米10年債利回りが1.8048%から1.8450%まで上昇したことから、ドルは序盤から底固い動きとなった。ドル/円は108.35まで上昇したものの、東京市場で付けた108.37までは届かなかった。
(4)米短期金融市場で翌日物レポ金利が2003年1月以来の高水準となった(資金需要が高まった)ことから、米金融当局が市場へのドル資金供給を増やす措置を講じたこともあり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ただ、FOMCの結果発表や、パウエルFRB議長の会見を控えて様子見ムードも強まっており、値動きが限定的だった。一方、ユーロは米主要株価指数が底固い動きとなったことや、対ドルで上昇したことが影響し、対円でも堅調な動きとなった。ユーロ/円は、週明けに118.69まで約1円の下落となったものの、この日は119.77まで上昇し前週末の水準を回復した。
本日のトピックス
米国市場では、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見が予定されており、それまでは様子見ムードも強まり、限定的な動きも予想される。サウジアラビアの石油施設が攻撃され、石油生産の一部が停止したこともあり、トランプ米大統領は「大幅に金利を下げて景気を刺激するべきだ」とツイートするなど、再びFRBに対する利下げ圧力を強めている。ただ、FRBは市場の予想通り0.25%の利下げを決定するとみられている(金利先物市場での0.25%の利下げ予想確率は84%、0.50%の利下げは16%)が、次回以降さらなる利下げの可能性があるのか、今回の利下げで当面様子見となるのか注目されている。そのため、声明やパウエルFRB議長の会見で政策のヒントが示されるのか注目したい。
9/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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124.4万件 | 119.1万件 |
前回は3ヵ月連続の減少となり、2月以来の低水準となった。一戸建て住宅は増加したものの、集合住宅が大きく減少したことが影響した。今回は、前月から増加が予想されており、4ヵ月ぶりに増加に転じるのか注目。前回、先行指標となる許可件数が増加したことも着工件数の増加予想を後押ししている。 | ||||
3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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1.75%-2.00% | 2.00%-2.25% |
FRBは予想通り0.25%の利下げを実施するとの見方が大勢を占めており、金利先物市場でも0.25%の利下げ予想確率が84%となっている。トランプ大統領は、中東の地政学的リスクを背景に大幅利下げをすべきとしているが、FRBの今後の政策方針に注目。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表で三役好転の強気シグナル(基準線・転換線のクロス、遅行スパンが価格帯を上抜け、価格が雲を上抜ける)となり、底固い動きが続いています。ただ、現状では、上値の重い動きが続いており、ここから一段の上昇となるのか、一旦調整となるのか注目です。
目先の方向性を見る上で、注目されるオシレーターのMACDでは、両線上向き継続ですが、両線の乖離幅が縮小し始めています。このことから、やや一服となる可能性も考えられます。乖離幅の縮小が続き、先行するライン(赤色ライン)が下向きとなる場合には雲上限近辺までの調整も視野に入ります。