前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、中東情勢の悪化によるリスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後は有事のドル買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。海外市場でも、ドル買いの動きが続き、さらに米国債利回りが上昇したこともドルの押し上げ要因となった。ドル/円は、108円台まで上昇した。一方、ユーロやポンドなどは、対ドルで軟調な動きとなったことが影響し、対円でも上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)サウジアラビアの石油施設が無人機に攻撃されたことを受けて中東情勢の緊張が高まり、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、東京市場が休場で新規材料に乏しい中、限定的な動きが続いた。その中で、中国の鉱工業生産が17年半ぶりの低い伸びにとどまり、一段の景気減速を示唆する内容となったことを受けて、特に豪ドルなどが敏感に反応した。
(2)欧州主要株価が軟調な展開で始まったことや、米10年債利回りが1.8765%から1.8100%まで低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、サウジアラムコの石油施設に対する無人機攻撃への報復として、米国がイランを攻撃するとの観測が広がり、中東情勢の悪化による有事のドル買いが優勢となり、ドル/円は堅調な動きが続き、終盤にかけて108.17まで上昇した。さらに、米10年債利回りが1.8730%まで上昇したこともドルの押し上げ要因となった。一方、中東情勢の緊張に加え、中国の低調な指標結果を背景に、クロス円は上値の重い動きとなった。また、対ドルで軟調な動きとなったことも影響した。
本日のトピックス
中東の地政学的リスクを背景に、有事のドル買いなども意識され、ドルは底固い動きが予想される。ただ、緊張が高まる場合には、安全資産とされる円買いの動きが強まる可能性も考えられる。その中で、欧州時間にはユーロ圏、ドイツのZEW景気指数の発表が予定されており、マーケットが敏感に反応することが多い指標であることから、結果に注目したい。一方、米国では、鉱工業生産の発表が予定されており、前回3ヵ月ぶりのマイナスに低下していることもあり、結果が注目される。特に、FOMCを控えていることもあり、比較的敏感に反応する可能性もあるだろう。
9/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
8月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.1% | -0.2% |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりのマイナスとなった。製造業、鉱業、エネルギーがマイナスとなったことが影響した。今回は、プラス改善が予想されており、ここまでの今年の平均が-0.2%であることから、改善の傾向が示されるのか注目。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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66 | 66 |
前回は、市場予想を上回り、2ヵ月連続の上昇となった。また、今年の最高水準に並んだが、先行指数が低下したことで、やや懸念が残った。今回は、前回から横ばいが予想されているが、先行きの懸念が残るのかどうか、先行き見通しの指数に注目。 |