前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。月末の実需のドル買いもやや期待外れになったことも影響したとの見方もあった。その後は、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、米国債利回りの上昇も加わり、ドル円・クロス円は値を戻したが上値は限定的となり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、序盤からやや上値の重い展開で始まった。序盤に発表された米PCEデフレーターが市場予想と一致したが、FRBが目標とする2%を9ヵ月連続で下回ったことや、ミシガン大消費者景信頼感指数が3年ぶりの低水準となったことからドルが売られ、ドル/円も軟調な動きとなった。その後、月末のロンドンフィキシングに絡むユーロ売り・ドル買いが観測され、ユーロが対ドルで2017年5月以来の安値まで下落したことで、ドルは円に対しても堅調な動きとなり、ドル/円は一時106.43まで上昇したものの、引けにかけては上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、堅調な展開で始まったダウ平均株価が一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、終盤にかけて再びプラス圏まで上昇、3営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは10ポイント安で終了し、小幅反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。月末の実需の売買も売り・買い拮抗したこともやや上値を圧迫した。なお、人民元の対ドル基準値は1ドル=7.0879元となり、前日基準値と比べて若干の元安に設定され、2008年3/14以来の元安水準となったものの、反応は限定的だった。
(2)日経平均株価が上げ幅を拡大したことに加え、米10年債利回りが1.4911%から1.5249%まで上昇したことから、ドル/円106.54まで上昇したものの、その後米10年債利回りが1.5011%まで低下したこともあり、上値の重い動きとなった。一方、7月のドイツの小売売上高が予想以上に低下したことを受けて、ユーロはドルや円に対して下落した。
(3)欧州市場の流れを引き継ぎ、米国市場では序盤からやや上値の重い展開で始まった。序盤に発表された個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想と一致したものの、FRBが目標とする2%を9ヵ月連続で下回ったことや、ミシガン大消費者信頼感指数が3年ぶりの低水準となったことが嫌気され、ドル/円は一時106.11まで下落した。
(4)月末のロンドンフィキシングに絡むユーロ売り・ドル買いが観測され、ユーロが対ドルで1.1000を割り込み、2017年5月以来の安値まで下落となったことから、ドルは対円でも堅調な動きとなり、106.43まで反発する場面もあった。ただ、9/1の対中制裁関税の発動を控えていることもあり、引けにかけては上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
9/1に米国は対中追加関税第4弾を発動したが、すでに3000億ドル相当のうち約1900億ドルは12/15まで先送りされている(今回は1100億ドル)こともあり、週明けのマーケットの影響は限定的だった。引き続き、関連する要人発言や報道には注目だが、目新しい内容でなければ反応は限定的となるだろう。
欧州市場では、ドイツやユーロ圏の8月の製造業PMIの発表が予定されている。前回は、若干の改善が見られたものの、引き続き懸念が燻っている。また、来週にECB理事会も控えていることから、結果を受けた動きに注目したい。一方、米国市場は本日レイバーデーのため休場となる。