前営業日トピックス
朝方、北朝鮮が日本海に向けて飛翔体を発射したとの報道もあったが、目立った反応はなかった。東京市場では、日経平均株価や上海株などアジア株が小幅安で寄り付いたものの、その後堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル/円は106.49まで上昇する場面もあったが、上値は限定的だった。
米国市場では、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。また、8月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が今年1月以来の低水準となったことも圧迫要因となった。ただ、米国債利回りが上昇したことや、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演に、マーケットの注目が移っていることもあり、狭いレンジ内の動きに留まった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)北朝鮮が日本海に向けて飛翔体を2回発射したとの報道や、日経平均株価が下落して始まったものの目立った反応はなく、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。その後、日銀が残存5年超10年以下の国債買い入れオペのオファー額を4500億円と通告し、前回から減額となったが、ほぼ市場予想通りだったこともあり、反応は限定的だった。一方、上海株など中国株が上げ幅を拡大したことや、米10年債利回りが1.5067%から1.5421%まで上昇したこともあり、ドル/円は一時106.28まで上昇する場面もあった。
(2)米10年債利回りが1.5623まで上昇したものの、ドルの反応は限定的となり、ドル/円はやや上値の重い動きが続いた。一方、フィンランド中銀総裁が、昨晩9月に大規模緩和を実施する必要があるとのハト派的発言が再び材料視され、欧州市場序盤からユーロ売りとなり、ユーロはドルや円に対して下落した。
(3)前日に2016年8月以来の低水準を付けた米10年債利回りが1.5673%まで上昇したことや、欧州主要株価指数が堅調な動きで始まったこともあり、ドル/円は106.49まで上昇した。しかし、米国市場では、住宅着工件数が3ヵ月連続のマイナスとなり、2月以来の低水準となったことや、米中通商問題を巡る緊張の高まりや米国の利下げ観測を背景に、8月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が今年1月以来の低水準となったことが圧迫要因となり、106.20まで下落した。ただ、米10年債利回りが1.5927%まで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったこともあり、下値は限定的で底固い動きとなった。
(4)マーケットでは、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとの思惑もあり、狭いレンジ内の動きに留まった。
本日のトピックス
今週も引き続き、株価や金利動向が注目されており、また米中の貿易問題に関連する報道や要人発言にも注意したい。一方、香港で「逃亡犯条例」を巡る抗議活動が続いているが、中国政府が軍部隊による鎮圧も辞さない姿勢を示しており、行動に移される場合には、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。
欧州時間には、ユーロ圏の消費者物価指数の発表が予定されているものの、米国市場では主要な経済指標の発表がないことや、週央のFOMC議事要旨や8/22からのジャクソンホールのシンポジウムでのパウエルFRB議長の講演、週末のG7首脳会議を控えて様子見の展開となる可能性も考えられる。