前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が下落して始まったものの、105円割れを回避した流れを受け、円買いのポジション調整によるドル円の買戻しが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、日経平均や上海株が下落するなど、アジア株が軒並み下落したこともあり、欧州市場序盤以降、上値の重い動きとなった。米国市場では、米通商代表部(USTR)が対中制裁関税に関して、一部輸入品への関税措置を12月まで延期すると発表したことを好感して、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円も大幅上昇となった。ドル/円は106.98まで上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。上昇一服後に米主要株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル/円は106.36まで下落したものの、終盤まで底固い動きが続いた。
一方、米株式市場では、米主要株価は軒並み大幅上昇となり、ダウ平均株価は一時530ドル高まで上昇したが、その後は上げ幅を縮小して372ドル高で終了、ハイテク株中心のナスダックは152ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の欧州時間にドル/円は105.05円まで下落し、1/3以来の安値をつけたが、105円割れを踏みとどまったことから、底固い動きが続き、休場明けの東京市場では円買いのポジション調整によるドル円の買戻しが優勢となり、ドル/円は105.47まで上昇した。上昇一服後は、やや上値の重い動きとなった。一方、人民元の対ドル基準値は1ドル=7.0326元(前営業日終値は7.0585元)となったが、反応は限定的だった。
(2)新規材料に乏しい中、米10年債利回りが1.6420%から1.6539%まで上昇したことを受けて、ドル/円は105.58まで上昇したものの、その後米10年債利回りが1.6165%まで低下した流れを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、ドル/円は105.13まで下落した。
(3)7月の米消費者物価指数では、コア指数が市場予想を上回る伸びとなったことが好感され、ドルは一時上昇する場面もあった。その後、米通商代表部(USTR)が9/1から中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の追加関税を予定していたが、スマートフォンやゲーム機など一部輸入品への関税措置を12/15まで延期すると発表したことを受けて、米主要株価指数が軒並み大幅上昇したことや、米10年債利回りが1.6335%から1.7155%まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円も大幅上昇となった。ドル/円は106.98まで上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。
(4)香港国際空港で抗議運動を続けるデモ隊に対応するため警察が空港内に進入との報道を手掛かりに、米主要株価が上げ幅を縮小したこともあり、ドル/円は106.36まで下落したものの、終盤まで底固い動きが続いた。
本日のトピックス
米国が9/1に発動予定の対中制裁関税に関して、一部品目の発動延期を発表したことを好感し、株価やドル円・クロス円が大きく上昇した。ただ、12月まで延期しただけの措置で根本的な解決になっていないとの見方もあり、今後の電話での協議の内容や、その結果が注目される。
一方、米国が中国を為替操作国に認定して以降は、中国当局は7元台乗せを容認しながら、日々の基準値は小幅元高に設定するなど、一方的な元安誘導は控えているものの、日々基準値の設定(日本時間10時15分)には注目が集まっていることから、日々この時間帯の動きには注目したい。米国市場では、前日の消費者物価指数に次いで輸出入の物価指数の発表が予定されている。反応は限定的と予想されているが、一応注目しておきたい。また、前日大幅上昇となった株価にも注目したい。
8/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-0.1% | -0.9% |
前回は、市場予想を下回り、昨年12月以来のマイナス幅となった。石油、資材が大きくマイナスとなったことや、食品が2ヵ月連続のマイナスとなったことが影響した。今回は、マイナス幅の低下が予想されているが、2ヵ月連続のマイナスとなる場合には昨年12月以来となることから、結果が注目される。 |