前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落したことや、米国債利回りの低下を背景に、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、ニュージーランド中銀が予想以上の大幅な利下げを決定したことを受けて、NZドルが大幅下落となり、豪ドルも大きく下落した。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小して終了したことや、欧州主要株価が底固い動きとなったこと、また下落していた米株価先物が下げ幅を縮小したことなどもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ダウ平均株価が序盤から前日比580ドル以上の下落となったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2016年10月以来約2年10ヵ月ぶりの低水準となったことが影響し、ドル/円は序盤の106.10から105.50まで下落した。その後、株価が下げ幅を縮小し、終盤にプラス圏まで上昇したことに加え、米10年債利回りも上昇に転じたことで、ドル/円は終盤にかけて106.26まで上昇した。
米株式市場は、米中貿易関連の対立が世界経済に悪影響を及ぼすとの警戒感が拡大し、主要株価は序盤から下落した。特に、ニュージーランド、インドなの中央銀行が相次いで利下げを決めたことで先行き懸念が深まり、リスク回避の動きが強まった。下げ一服後は、割安感が出た銘柄などに買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、一時前日比589ドル安まで下落したものの、22ドル安で終了。ハイテク株中心のナスダックは序盤に130ポイント安まで下落したものの、29ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が寄り付きから軟調な動きとなり、一時170円以上の下落となったことや、時間外で米10年債利回りが1.7023%から1.6569%まで低下し、2016年10月以来の低水準となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。NZ中銀の金融政策発表では、市場予想の0.25%を上回る0.50%の利下げを決定したことを受けて、NZドルが急落となり、対ドルで2016年1月以来、対円で2012年12月以来の安値を付けた。一方、同じオセアニア通貨の豪ドルも下落となり、対円で2009年5月以来、対ドルで2009年3月以来の安値を付けた。なお、中国人民銀行は本日の人民元基準値を6.9996元とほぼ市場の予想通りの水準に設定した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが2年10ヵ月ぶりの低水準から上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一時105.93まで下落していたドル/円は、106.29まで値を戻した。
(3)米中の対立が世界経済に悪影響を及ぼすとの警戒感を背景に、ニュージーランド、インド、タイの中央銀行が相次いで利下げを決めたことで先行き懸念が深まり、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、ダウ平均株価が序盤から前日比580ドル以上下落となったことや、米長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.5931%まで低下し、2016年10月以来約2年10ヵ月ぶりの低水準となったことが影響し、ドル/円は序盤の106.10から105.50台まで下落した。さらに、シカゴ連銀総裁が「追加利下げが必要になる可能性がある」との見方を示したことも影響し、ドル/円は一時105.50まで下落し、1/3以来の安値を更新した。
(4)105.50台では値頃感のドル買い戻しに加え、低調な米10年債入札結果を受けて、低下していた10年債利回りが上昇となり、終盤に1.7342%まで上昇したことや、米主要株価指数がプラス圏まで上昇したことも影響し、ドル・円クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は106.26まで上昇した。
本日のトピックス
米中の対立激化が世界経済に悪影響を及ぼすとの警戒感が強まっており、昨日もニュージーランド、タイ、インドの中央銀行が相次いで利下げを決めるなど、各中銀が大幅な利下げに踏み切る傾向が出始めている。さらに、ドイツの6月の鉱工業生産が前年比ベースで2009年11月以来の低水準に低下したことで、欧州経済への影響も懸念されている。引き続き影響が続く可能性が懸念されており、各株式市場や金利動向には注目したい。
8/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.5万件 | 21.5万件 |
前回は、市場予想を上回り、4月以来の低水準に改善した前週から悪化した。今回は、前回から横ばいが予想されており、6月の平均が22.3万件、7月の平均が21.2万件であることから、8月は改善の傾向が示されるのか注目したい。 |