前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でドル円・クロス円が上昇した流れが一服したことから、序盤から小動きの展開となった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米国債利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調となる場面もあったが、中国株や欧州株が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固く推移した。
米国市場では、序盤に発表された第2四半期の米GDPの速報値が予想を上回ったことを受けて、ドル/円は一時108.83まで上昇し、7/10以来の高値を付けた。その後、米国債利回りの低下を受けて108.60まで下落したものの、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が、「ホワイトハウスはいかなる為替介入も排除した」とし、トランプ大統領はドル安志向との見方を否定したことを受けて、再びドル買いが強まり、ドル/円は108.80まで上昇した。しかし、米FOMCや米雇用統計を翌週に控えていることもあり、終盤まで狭いレンジ内の動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場では、経済指標の改善や米金利の上昇を受けてドルは堅調な動きとなったものの、東京市場では上昇も一服となり、序盤から小動きの展開となった。さらに、日経平均株価が軟調な動きが続いたことや、米10年債利回りが2.0810%から2.0636%に低下したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
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(2)午後に入り、日経平均株価が小動きとなったことや、米4-6月期GDP速報値の発表を控えて、小動きの展開が続いた。ただ、上海総合など中国株がプラス圏まで上昇して引けたことや、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
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(3)第2四半期の米GDPの速報値が予想ほど減速とならなかったことが好感され、ドル買いが優勢となり、ドル/円は一時108.83まで上昇し、7/10以来の高値を付けた。しかし、上昇一服後は米10年債利回りが2.0965%から2.0616%まで低下したことなどが影響して108.60まで下落した。
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(4)クドロー国家経済会議(NEC)委員長が、「ホワイトハウスはいかなる為替介入も排除した」とし、トランプ大統領はドル安志向との見方を否定したことを受けて、再びドル買いが強まり、ドル/円は108.80まで上昇した。ただ、序盤に付けた108.83を超えられなかったことや、利下げが確実視されている米FOMCや、米雇用統計などを翌週に控えていることもあり、終盤まで限定的な動きが続いた。一方、格付け会社が南アフリカの格付けを「BB+」とし、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことを受けて、ランドは軟調な動きとなった。
本日のトピックス
週明けで新規材料に乏しい中、本日から始まる日銀金融政策決定会合(結果発表は30日)やFOMC(30日〜31日)の結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、限定的な動きが予想される。米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、日米の金融政策に関する思惑が交錯する場合には、米国債市場に動き(利回りの変動)が出る可能性もあり、注目したい。
7/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:30 | 米国 |
7月ダラス連銀製造業活動指数
ダラス連銀製造業活動指数は、テキサス州の製造業約100社を対象に調査し、生産、雇用、新規受注などの結果を指数化したもの。特に、石油関連企業が多く、エネルギー価格の動向に左右される傾向がある。
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-5.0 | -12.1 |
前回は、市場予想を大きく下回り、2016年6月以来の低水準となった。今回は、前月から改善が予想されているものの、3ヵ月連続のマイナスが予想されている。ニューヨーク連銀、フィラデルフィア連銀の製造業指数は改善したものの、リッチモンド、カンザスシティ連銀指数、製造業PIMが悪化していることから、予想も難しくなっており、結果を見極めたい。 |