前営業日トピックス
東京市場では、米中通商問題の緩和期待や米国の債務期限延長合意を背景に、日経平均株価や米国債利回りが上昇となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、ドル/円は一時108.19まで上昇し4日ぶりの高値を付けた。
米国市場では、序盤からドルは主要通貨に対して底固い動きとなり、ドル/円も108.28まで上昇した。しかし、6月の米中古住宅販売件数、7月リッチモンド連銀製造業指数がともに市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したこともドルの圧迫要因となった。ただ、ユーロやポンドなどに対してドルは堅調な動きが続いていたこともあり、ドル/円は108.03で下げ止まり、108円台割れを回避した。その後、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らが通商協議を行うために、7/29に訪中するとの報道を受けて、米主要株価指数が上昇、米国債利回りも上昇に転じ、ドル/円は再び108.29まで上昇した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米10年債利回りが2.0429%から2.0586%まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米国の債務期限延長合意や、通商協議のためにムニューシン米財務長官とライトハイザー通商代表部代表が訪中するとの一部報道、トランプ米政権が中国通信機器大手ファーウェイに対する制裁を和らげるとの観測も下支え要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、一時269円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、欧州主要株価指数や米株価先物の上昇も下支え要因となり、ドル/円は一時108.20まで上昇し、7/17日以来4営業日ぶりの高値を付けた。
(3)IMFが四半期経済見通しで、世界経済見通しを下方修正したものの、米国の成長見通しを上方修正したことを受けてドルは堅調な動きとなり、ドル/円は108.28まで上昇した。その後、6月の米中古住宅販売件数が市場予想を下回る結果となった他、7月リッチモンド連銀製造業指数が2013年1月以来の大きなマイナス幅となったことが影響し、ドルは軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが2.0707%から2.0446%まで低下したこともドルの圧迫要因となった。ただ、ドルはユーロやポンドなどに対して堅調な動きが続いていたこともあり、ドル/円は108.03で下げ止まり、108.00割れを回避した。
(4)ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表ら複数の米政府高官が通商協議を行うために、7/29に中国に向けて出発する予定で、未解決の問題が幅広く議論されるとの報道を受けて、米主要株価指数が上昇、また2.0446%まで低下していた米10年債利回りも2.0829%まで上昇となり、ドル/円は108.29まで上昇し4営業日ぶりの高値を更新した。一方、ECB理事会を控えて利下げ観測などを背景にユーロ売りが続いており、ユーロは対ドルで終盤に1.1146まで低下し、5/31以来の安値を付けた。
本日のトピックス
7/25のECB理事会や来週のFOMCを控えて、金融政策に関する思惑から株価や長期金利に動きが出ている。さらに、米中通商問題や英国の与党党首選の結果を受けた政治的な動き、中東の地政学リスクなどが燻っており、各マーケットの動きから目が離せない。その中で、本日はドイツや欧州の製造業・非製造業PMIの発表が予定されており、製造業に関しては昨年から続いた低下から4月以降ようやく改善の兆しが見え始めており、引き続き改善傾向が示されるのかが注目される。特に、ECB理事会を控えていることもあり、注目度は高いと考えられる。一方、米国市場では、新築住宅販売件数の発表が予定されており、前日に発表された中古住宅販売件数が冴えない結果となったこともから、2ヵ月連続の減少から改善が見られるのか注目したい。
7/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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66.0万件 | 62.6万件 |
前回は、増加予想に反して大きく減少となり、昨年12月以来の低水準となった。賃金の上昇や住宅ローン金利が低下しているものの、2ヵ月連続の減少となったことで、新築住宅市場の弱さが示された。南部、中西部が増加したものの、西部が前月比約36%減少となったことが影響した。今回は、前回の反動から増加が予想されているが、前回指摘された住宅市場の弱さが払拭できるか注目。 |