前営業日トピックス
海外市場の堅調な流れが一服し、東京市場では序盤から小動きの展開となった。詳しい関係筋の話として、日米通商協議が9月に両首脳により合意される可能性との報道を受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、序盤にドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は株価が下げ幅を拡大したことや、米国債利回りが低下したこともあり、上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された6月の米住宅着工件数が市場予想を下回る結果となったことを受けてドルが売られたものの、下値は限定的だった。その後、米主要株価指数が米中貿易摩擦への懸念から軟調な動きとなり、米国債利回りの低下が続いたこともドルを圧迫する要因となった。ただ、ベージュブック(地区連銀経済報告)では、米景気が緩慢なペースで拡大したことが示されたことからドルは下げ止まる場面もあった。米株式市場では、米中貿易摩擦が企業業績に与える影響への懸念を背景に、主要3指数は続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。通商問題に関して、日米両国が合意に向けて譲歩を検討しており、両首脳が9月にニューヨークで合意締結する可能性があるとの報道を受けて、日米通商協議が好転するとの期待感を背景に、ドル/円は一時108.33まで上昇した。しかし、上昇一服後は、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、時間外取引で10年債利回りが2.1078%から2.0955%まで低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)下げ一巡後は、日経平均株価や上海総合、香港ハンセン指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、低下していた米国債利回りの上昇も下支え要因となった。
(3)6月の米住宅着工件数が市場予想を下回る結果となったことを受けてドルが売られたものの、下値は限定的だった。その後、108.32まで上昇したものの、東京市場で付けた高値の108.33には届かなかった。
(4)米主要株価指数が米中貿易摩擦への懸念から軟調な動きとなり、米10年債利回りが2.0938%から2.0416%まで低下したことがドルの圧迫要因となった。ただ、ベージュブック(地区連銀経済報告)では、米景気が緩慢なペースで拡大したことが示されたことからドルは下げ止まる場面もあった。
本日のトピックス
米企業の業績予想が下方修正されたことを受けて、米中貿易摩擦が企業業績に影響しているとの懸念が強まっており、これがマーケットにも影響している。また、FOMCの資料にもなるベージュブックでは、米景気が緩慢なペースで拡大したことが示されたが、7/30、31に開かれるFOMC会合での議論に影響を与える可能性は低いと見られており、利下げはほぼ織り込み済みとなっている。このこともあり、ドルは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
米国市場では、前回2月以来の低水準となったフィラデルフィア連銀景況指数、先週4/12の週以来の低水準に改善し新規失業保険申請件数と、前回結果が対照的な経済指標の発表が予定されている。反応は限定的と考えられるが、予想との乖離が大きくなるようなら、反応も大きくなる可能性もあるだろう。一方、南アフリカ中銀の金融政策発表も予定されており、今回は0.25%の利下げが予想されている。利下げが決定される場合には、結果を受けた南ア・ランドの動きに注目したい。
7/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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5.0 | 0.3 |
前回は、市場予想を下回り、2月以来の低水準となった。販売価格や新規受注が大きく低下したことが影響した。今回は、前回の反動もあり、改善が予想されている。昨年、一昨年から比べると低水準が続いているが、その中で改善の傾向が示されるのか注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.6万件 | 20.9万件 |
前週は、市場予想を下回り、4月12日の週以来の低水準に改善し、堅調な労働市場が景気拡大を支えているとのFRBの見解と合致する結果となった。ただ、米独立記念日の祝日が影響した可能性もあり、今回は前回から増加が予想されている。 | ||||
不確定 | 南アフリカ |
南ア政策金利 |
6.50% | 6.75% |
昨年11月に利上げが決定されて以降、3会合連続(1月、3月、5月)で6.75%での据え置きが続いている。今回は0.25%の利下げが予想されており、利下げが決定される場合には、2018年3月に6.75%から6.50%に引き下げて以来の利下げとなる。南ア中銀総裁の会見時に発表されることから、発表時間は不特定であるが、概ね22時20分前後と見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の基準線(107.883)近辺で底固い動きとなっており、上値はここ数日は基準線近辺で抑えられています。現状のもみ合いレンジからどちら側に抜けるかが、目先の注目ポイントとなります。基準線は、当面横ばいが続くことから、方向性は横ばいと見られますが、完全に下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられます。
そして、106.779からの戻りのレンジを小休止の持合いパターンと見れば、5波動目で下抜けていること、またオシレーターのMACDでは、両線が交差していることから、下方向には警戒も必要と考えられます。