前営業日トピックス
東京市場では、序盤に107.82まで下落したものの、底固い動きとなったことで、ショートカバー(売りポジションの解消)の動きに加え、仲値公示にかけて実需のドル買いも観測され、ドルは一時108.10まで上昇した。その後、107.90台まで下落したものの、時間外取引で米国債利回りが上昇したこともあり、再び108.10まで上昇した。 米国市場では、6月の米小売売上高が予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、トランプ米大統領が「中国に関税を課すことが可能」と発言したことから米株価が下落となり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドルは、対欧州通貨に対して上昇したことから、対円でも下値は限定的だったが、中国との貿易上の関係が深いことから、豪ドルはドルや円に対して終盤まで軟調な動きが続いた。一方、米株式市場では、ダウ平均株価が一時前日比39ドル高まで上昇し、史上最高値を更新する場面もあったが、米大統領の発言を受けて68ドル安まで下落となるなど、結局5営業日ぶりの反落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、35ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場明けで新規材料に乏しい中、序盤から小動きの展開となった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大したものの、3連休明けで実需のドル買い・円売り観測から、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時108.09まで上昇した。
(2)仲値公示通過後は、ドル買い一服から上値の重い動きとなり、ドル/円は107.91まで下落した。ただ、米10年債利回りが2.0817%から2.0991%まで上昇したことから、再びドル買い・円売りとなり、ドル/円は108.10まで上昇した。その後はやや上値の重い動きとなった。一方、ユーロはドイツの景気期待指数が悪化したことが嫌気され、ドルや円に対して軟調な動きとなった。
(3)6月の米小売売上高が予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。その後に発表された6月の米鉱工業生産が予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きとなる場面もあった。しかし、米小売売上高の結果を受けて米10年債利回りが2.0904%から2.1393%まで上昇したことから、ドルは底固い動きとなり、ドル/円はオープン直後の107.92から108.37まで上昇した。一方、英国の次期首相候補のジョンソン氏とハント外相が、アイルランドとの国境問題のバックストップ(安全策)に関して、期限が設定されても受け入れない意向を示したとの報道を受けて、欧州市場からポンド売りが続いており、対ドルで2017年4月以来の安値を付けた。
(4)トランプ米大統領が「中国に関税を課すことが可能」と発言したことから、米株価が下落となり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドルの対欧州通貨に対して上昇していたこともあり、下値は限定的だったが、中国との貿易上の関係が深いことから、豪ドルはドルや円に対して終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
欧州市場では、ユーロ圏と英国の6月の消費者物価指数の発表が予定されている。昨日発表されたドイツの景気期待指数が2018年10月以来の低水準に低下するなど、ユーロ圏の景気低迷懸念も高まっており、一部ではECBが年内にも利下げに動くとの見方も出ている。そのため、結果には注目したい。
米国市場では、米住宅着工件数、建設許可件数の発表が予定されている。昨年までの勢いがやや後退しているものの、高水準を維持していることから、予想を上回る結果となれば、米景気に対する期待感も高まるだろう。さらに、FOMCの参考資料となるベージュブック(米地区連銀経済報告)の発表も予定されており、景気動向に関して各地区の報告に注目したい。
7/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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126.0万件 | 126.9万件 |
前回は、市場予想を上回ったものの、4月からは低下した。集合住宅は4ヵ月連続の増加となったものの、一戸建て住宅が前月から減少したことが影響した。今回は、若干の低下が予想されており、ここまで増加が続く集合住宅の結果に注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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130.0万件 | 129.4万件 |
前回は、市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となった。集合住宅が減少したものの、主力の一戸建て住宅が増加したことが影響した。今回は、増加が予想されており、3ヵ月連続の増加となり、今後の着工件数を下支えするのか注目したい。 |