前営業日トピックス
日本市場が祝日で休場となり、新規材料に乏しい中、中国の経済指標が良好な結果となったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は欧州株が下落したことが影響して上値の重い動きとなった。 米国市場では、全般的に薄商いの中、FRBの利下げ観測が根強いことがドルの圧迫要因となり、ドル/円は狭いレンジ内の動きが続いた。さらに、米10年債利回りの小幅ながら低下が続いたこともドルの圧迫要因となった。一方、豪ドルやNZドルは、中国の経済指標が相次いで市場予想を上回ったことが引き続き材料視され、ドルや円に対して底固い動きが続いた。一方、米株式市場は、ダウ平均株価が4営業日続伸となり、主要3指数は終値ベースの過去最高を3営業日連続で更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で休場となる中、中国の2Q実質GDP(前年比)が前回から低下したものの、小売売上高、鉱工業生産がともに予想を上回る結果となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しい中、堅調な展開で始まった欧州主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落する動きとなったことが影響し、軟調な動きとなった。
(2)全般的に薄商いの中で、米国市場序盤に発表された7月のNY連銀製造業景況指数が市場予想を上回ったものの、FRBの利下げ観測も根強いことがドルの圧迫要因となり、ドル/円は107.84から107.98での狭いレンジ内の動きが続いた。さらに、米10年債利回りの小幅ながら低下が続いたこともドルの圧迫要因となった。一方、豪ドルやNZドルは、中国の経済指標が相次いで市場予想を上回ったことが引き続き材料視され、ドルや円に対して底固い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、休場明けで主要な日本の経済指標の発表もないことから、やや限定的な動きが考えられる。マーケットでは、7月末のFOMCでFRBによる0.25%の利下げが織り込まれており、0.50%の利下げの可能性を指摘する向きもある。そのため、今週の米経済指標の結果に注目が集まっている。本日の米国市場では、小売売上高や鉱工業生産の発表が予定されている。指標結果が冴えない結果となるようなら、米長期金利の低下につながり、ドルの圧迫要因となる可能性が考えられる。逆に、良好な結果となるようなら米国債利回りの上昇となり、ドルは底固い動きとなると考えられる。ただ、0.25%の利下げの予想確率が大きく低下するとは考えにくいことから、上値は限定的だろう。一方、米企業決算も本格化することから、結果を受けた主要株価の動きにも注目したい。
7/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.2% | 0.5% |
前回は、市場予想を下回ったものの、4月の結果からは伸び幅が拡大し、個人消費の堅調さが示された。電気製品や建設資材、無店舗小売が前月から大きく伸びたことが影響した。今回は、伸び幅の低下が予想されており、昨年秋ごろから市場予想と乖離して大きく乱高下する結果が続いているが、安定的な伸びが続くのか注目したい。 | ||||
22:15 | 米国 |
6月鉱工業生産(前月比)
鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.1% | 0.4% |
前回は、市場予想を上回り、2018年11月以来の高い伸びとなった。製造業が今年初めてプラスとなったことが影響した。今回は、前回から伸び幅の低下が予想されており、前回製造業の押し上げ要因となった自動車・同部品、機械が引き続き堅調を維持できるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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64 | 64 |
前回は、市場予想に反して低下となり、半年ぶりの低下となった。上昇が続いた現況指数が6ヵ月ぶりに低下となったことが影響した。今回は、前月から横ばいが予想されており、前回低下した現況指数、先行指数などの改善が見られるのか結果に注目したい。 |