前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、序盤は実需のドル買い・円売りフローも観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、午後に入ると日経平均株価が弱含み、さらに米国金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、パウエル米FRB議長の議会証言を控えて様子見ムードが出ており、全般的に小動きの展開となった。その後、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル/円は108.96まで上昇し、5/31以来の高値を更新した。
米国市場では、パウエルFRB議長の議会証言を控えて、ドルは序盤から小動きの展開となった。その後、ポンドやメキシコ・ペソの下落がドルの下支え要因となったことや、米10年債利回りが約3週間ぶりに2.07%台まで上昇したことも加わり、ドル/円は終盤に再び108.93まで上昇した。米株式市場では、序盤から下落したダウ平均株価は、終盤に一時プラス圏まで値を戻したものの、結局3営業日続落となり、ナスダックは3営業日ぶりに反発となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)7/10のパウエルFRB議長の議会証言などを控えて様子見ムードが強まり、目立った材料に乏しい中、日経平均株価が前日比150円以上の上昇となったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、仲値公示にかけて輸入企業によるドル買い・円売り観測もあり、ドル/円は108.89まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことや、米株価先物が軟調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに米10年債利回りが2.0424%から2.0302%まで低下したことも圧迫要因となった。しかし、その後米10年債利回りが2.0683%まで急反発したことでドル買い・円売りが強まり、ドル/円は108.96まで上昇し、5/31日以来の高値を更新した。
(3)米10年債利回りが一服してやや低下したことや、欧州主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、英国のエコノミスト予想で、成長見通しが引き下げられたことや、利下げ観測が浮上したことが圧迫要因となり、ポンドはドルや円に対して軟調な動きが続いた。ポンドは対ドルで2017年4月以来の安値まで下落した。
(4)米国市場では、パウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも強く、ドルは序盤から小動きの展開となった。米大統領上級顧問が、米財務長官と通商代表部代表がまもなく中国へ向かうと発言したことで、下落した株価が下げ幅を縮小したことに加え、ポンドやメキシコ・ペソの下落がドルの下支え要因となった。さらに、米10年債利回りが約3週間ぶりに2.07%台まで上昇したことも加わり、ドル/円は108.93まで上昇した。また、メキシコ財務相が辞任したとの報道を受けて、メキシコ・ペソが主要通貨に対して急落、ドルや円に対して7/10ぶりの安値となった。
本日のトピックス
パウエルFRB議長は、本日下院金融委員会での議会証言が予定されている。7/5に公表した金融政策報告書では、経済成長ペースが第2四半期に鈍化したと指摘し、米景気拡大を持続させるための利下げもあり得るとの姿勢を示したことから、発言の内容が注目される。マーケットでは、当初0.50%の利下げ観測もあったが、先週末の米雇用統計の結果を受けて、0.50%の利下げ観測が後退した(金利先物市場では、0.50%の利下げ予想確率は雇用統計前で最大38%、雇用統計後は低下し、現状では0%となっている)。しかし、賃金の伸びが引き続き緩やかであることから、0.25%の利下げは決定的との見方も出ている。さらに、6/18-19分のFOMC議事録の公開も予定されている。声明では「忍耐強く」との文言が削除されたことや、年内の利下げが適切と予想するメンバーがほぼ半数となったとの声明、また多くのメンバーが利下げは適切だと考えているとFRB議長が会見で指摘したこともあり、利下げ幅などに関する具体的な議論がされたのか注目される。
7/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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翌3:00 | 米国 |
FOMC議事録公表[6月18-19日分] |
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6月のFOMCでは、FF金利の誘導目標が据え置きとなったが、声明では「忍耐強く」との文言が削除されたことや、年内の利下げが適切と予想するメンバーがほぼ半数となった。多くのメンバーは、利下げは適切だと考えているとFRB議長は会見で指摘しており、利下げ幅などに関する具体的な議論がされたのか注目される。 |