前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場が休場だった影響で、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。加えて、米国の雇用統計を控えて結果を見極めたいとの様子見ムードが広がっていたことも影響した。一方、日経平均株価も上下100円以下の狭いレンジ内の動きとなったが、休場明けの米株価先物や米国債利回りが上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された6月の米雇用統計で、前回大幅低下となった非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、FRBによる0.50%の利下げ観測が後退したこともドルの押し上げ要因となった。その後、トランプ米大統領が利下げは経済を押し上げると発言したことを受けて、ややドルは上値の重い動きとなる場面もあったが、反応は一時的となり、終盤まで底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米主要市場が独立記念日の祝日で休場だったことから新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。さらに、日経平均株価が小動きとなったことや、米国の雇用統計の発表を控えていることで様子見ムードも強まっていたことから、積極的な売買が手控えられた。そのため、ドル/円は、107.77から107.88での狭いレンジ内の動きが続いた。
(2)実需の売買が集中する五・十日だったが、実需のフローも限定的だったことで、引き続き小動きの展開が続いた。一方、日銀の雨宮副総裁が、下方リスクで物価モメンタムが損なわれるなら、躊躇なく追加緩和を検討すると述べたが、マーケットの反応は限定的だった。その中で、米株価先物が底固い展開となったことや、米10年債利回りが上昇したこともあり、ドル/円は108.07まで上昇した。
(3)6月の米雇用統計で、失業率は前回から悪化したものの、前回大幅低下となった非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、FRBによる0.50%の利下げ観測が後退し、米10年債利回りが1.9477%から2.0667%まで上昇したこともドルの押し上げ要因となった。ドル/円は、雇用統計発表直前の108.07から108.62まで上昇した。一方、ドルが全面高となったことから、ユーロは対ドルで下げ幅を拡大し、6/19以来の安値まで下落したことが影響し、対円でも上値の重い動きとなった。
(4)トランプ米大統領が利下げは経済を押し上げると発言したことを受けて、ドル/円は108.42まで下落したものの反応は一時的だった。その後は、序盤から下落していた米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドルは底固い動きが続いた。ドル/円は終盤に108.64まで上昇し、6/18以来の高値を付けた。
本日のトピックス
前週末の雇用統計の結果を受けた動きはすでに一服しており、マーケットの注目は7/10の米下院金融委員会、7/11の上院銀行委員会で行われるパウエルFRB議長の半年に一度の議会証言に移っている。そのため、それまでは大きな動きにはなり難いと考えられる。その中で、本日欧州市場では、ドイツの貿易収支、経常収支、鉱工業生産の発表が予定されているが、このところドイツの経済指標の冴えない結果が続いていることもあり、結果が注目される。
一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、米雇用統計の発表後であることから、やや限定的な動きが考えられる。ただ、欧米の金利動向に対する思惑が交錯していることから、株式市場や債券市場の動き次第では、為替市場にも動きが出る可能性もあるだろう。