前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が軟調な動きとなったことや、米国債利回りの低下を受けて、ドル売り・円買いが優勢となり、クロス円も軟調な動きとなった。しかし、下げ一服後は、値頃感の買い戻しもあり、底固い動きが続いた。 米国市場では、序盤に発表された米ADP雇用統計、米貿易収支、ISM非製造業景況指数が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、低調な雇用関連指標を受けて、今月末のFOMCで利下げの可能性が高まったとの見方から米主要株価が堅調な動きとなり、主要3指数がそれぞれ過去最高値を更新したことが影響し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。日経平均株価が軟調な展開で始まったことも意識された。さらに、米10年債利回りが1.9706%から1.9466%まで低下し、2016年11月以来の低水準をつけたことも加わり、ドル/円は一時107.54円まで下落し、6/26以来の安値を付ける動きとなった。
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(2)その後は新規材料に乏しいことに加え、注目される米ADP雇用統計など、主要な米経済指標の発表を控えて積極的な売買が手控えられたことから、小動きの展開が続いた。さらに、米10年債利回りが1.9378%まで低下したことも圧迫要因となった。その後、日経平均株価は下落して終了したものの、欧州主要株価は堅調な動きとなったこともあり、底固い動きが続いた。
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(3)米国市場では、6月の米ADP雇用統計が市場予想を下回る結果となったことで、週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数も低い伸びとなるとの見方が浮上し、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米貿易収支では赤字額が5ヵ月ぶりの高水準に拡大、ISM非製造業景況指数も2017年7月以来の低水準に悪化したことから、ドルは上値の重い動きとなった。
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(4)低調な雇用関連指標の結果を受けて、今月末のFOMCで利下げの可能性が高まったとの見方が広がり、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなり、主要3指数はそれぞれ過去最高値を更新したことが影響し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ダウ平均株価は、昨年10/3以来9ヵ月ぶりに過去最高値を更新。一方、ナスダックは6営業日続伸し、2ヵ月ぶりに過去最高値を更新、S&P500も5営業日続伸となり、3日連続で過去最高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場や欧州市場で主要な経済指標の発表がないことや、本日の米国は独立記念日(Independence Day)の祝日のために主要市場が休場となること、また7/5の休場明けに米雇用統計の発表が予定されていることもあり、積極的な売買が手控えられる可能性が考えられる。その中で、アジアや欧州の主要株価の動きが大きくならなければ、限定的な動きとなるだろう。
気まぐれ投資コラム
チャートツール その2 フィボナッチ・アーク
フィボナッチ・アークは、フィボナッチ・リトレースメントに時間的な概念を取り入れたもので、弧(アーク)を描いているのが特徴です。
フィボナッチ・リトレースメントと同じように安値①、高値②の順でクリックすると、フィボナッチ・アークが表示されます。チャート1のように、②と、38.2%、50%、61.8%を起点として弧を描いたものがフィボナッチ・アークとなります。
ポイントの見方は、フィボナッチ・リトレースメントと同じですが、時間的な概念を加えていることで、チャート上の縦の意識(目標価格)から横の意識(時間の経過)も加わっています。
チャート2は、現状の南ア・ランド/円の日足チャートです。高値①から安値②までの下げに対して、時間的概念を加えたポイントが表示されています。ここからトレンドライン近辺の動きが注目され、ここを下抜けるかどうかもポイントとなります。それにより、その先のアークの61.8%のラインのどのあたりを通過するのかを予測します。

※出所:FX総合分析チャート

※出所:FX総合分析チャート