前営業日トピックス
東京市場では、底固い動きで始まった日経平均株価が下落に転じ、中国株やアジア株も軒並み下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領が日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に示していたとの報道を受けて、ドル/円は106.78まで下落した。その後は、低下していた米国債利回りが反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された6月消費者信頼感指数、5月新築住宅販売件数市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、セントルイス連銀総裁が、0.50%の利下げをする状況にはないと発言し、マーケットで広がっていた0.50%の利下げ観測が後退したことから、ドルは主要通貨に対して反発した。しかし、米国は中国からのいかなる関税条件も受け入れないとの報道を受けて、再びドルは上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)FRB議長の講演や、G20首脳会議、米中首脳会談など、重要イベントが控えて様子見ムードが強まる中で、米中通商協議が進展するとの期待感もあり、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。
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(2)値頃感のドル買いが見られる中、トランプ米大統領が日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に示していたとの報道を受けて、底固い動きだった日経平均株価が下げ幅を拡大し、さらに上海株などアジア株が軒並み下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円はドル/円は一時106.78まで下落し、1/3以来の安値を更新した。さらに、米10年債利回りが2.0211%から1.9867%まで低下したことも影響した。一方、代表的な逃避先となる金価格は、時間外取引で1442ドルまで上昇し、2013年5月以来の高値を付けた。
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(3)ドル/円は、106円台では値頃感の買い戻しも強く、底固い動きとなった。さらに、低下していた米10年債利回りが2.0228%まで上昇したことも下支え要因となった。
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(4)6月消費者信頼感指数が2017年9月以来の低水準、5月新築住宅販売件数が昨年12月以来の低水準となったことが影響し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は一時106.84まで下落した。
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(5)FOMCの投票権を有するブラード・セントルイス連銀総裁が、米国の利下げの実施には良い時期だが、0.50%の利下げをする状況にはないと発言し、マーケットで広がっていた0.50%の利下げ観測が後退したことから、ドルは主要通貨に対して反発した。さらに、パウエルFRB議長が当局は今後の情報が示唆するものを注視し、適切に行動すると発言したことから、FRBは予想ほどハト派的でないとの見方が広がったことも影響した。しかし、米国は中国からのいかなる関税条件も受け入れないとの報道や、米当局者がG20で貿易問題が合意する可能性は低いとの見解を示したとの報道も加わり、ドルは上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨日も、米中の通商問題に関する報道などがあり、ますますG20に合わせて実施される米中首脳会談の結果を見極めたいとの思惑が強まっており、様子見ムードから限定的な動きが続く可能性が考えられる。
米国市場では、耐久財受注の発表が予定されており、今回は2ヵ月連続のマイナスが予想されている。予想通りの結果なら、約1年ぶりの2ヵ月連続のマイナスとなることから、結果が注目されている。一方、中東情勢など、リスクが意識されるマーケットであることから、米国債入札の時間帯(日本時間午前2時)の動きにも注目したい。
6/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-0.3% | -2.1% |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月ぶりにマイナスとなった。輸送機器や資本財が大きくマイナスとなったことが影響した。今回は、マイナスが予想されており、2ヵ月連続のマイナスとなる場合には、昨年6-7月以来約1年ぶりとなる。 |