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2024-11-13 00:30:46

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2019年6月3日

マーケットトピックス 2019年6月3日

前営業日トピックス

東京市場では、序盤にトランプ米大統領がメキシコからのすべての輸入品に5%の関税をかけると表明したことや、中国政府がレアアースの輸出を規制する計画を準備しているとの報道を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が一時300円以上の下落となったことも影響し、ドル/円は109円台割れとなった。 米国市場では、トランプ米大統領がメキシコからの輸入品に対し広範に関税を課す方針を示したことを材料に、米国の貿易摩擦の拡大が世界経済に影響を与えるとの懸念が広がり、米主要株価が大幅下落となるなど投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、1/15以来の安値を付けた。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)前日の海外市場で、ドル/円が109.92から109.48まで下落した流れが一服し、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、トランプ米大統領が、6/10からメキシコからの輸入品すべてに5%の関税かける表明し、不法移民の流入が止まるまで実施するとツイッターでつぶやいたことを材料に、ドル円・クロス円は一段の下落となった。

(2)中国、必要なら対米レアアース輸出を規制する計画を準備しているとの報道を受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、前日比300円以上の下落となったことから、ドル円・クロス円は一段の下落となり、ドル/円は2/1以来の109円台割れとなった。

(3)米個人消費支出統計がまずまずの結果となったことを受けて、米国市場序盤はドル買いとなる場面もあった。しかし、トランプ米大統領が5/30にメキシコの移民対策が不十分として、メキシコからの輸入品に対し広範に関税を課する方針を示したことから、米国の貿易摩擦の拡大が世界経済に影響を与えるとの懸念が広がり、米主要株価が大幅下落となるなど投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な通貨とされる円が買われる動きとなった。

(4)米株式市場では、主要株価指数が軒並み大幅下落となり、ダウ平均が25000ドルの節目を割り込んで1/29以来約4ヵ月ぶりの安値、ナスダックは3/11以来の安値となった。また、米債券市場では、10年債利回りが2.1246%まで低下し、2017年9月以来の低水準となったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続き、ドル/円は、1/15以来の安値、豪ドル/円、ユーロ/円はともに1/3以来の安値を付けた。

本日のトピックス

米国の貿易摩擦の拡大が世界経済に影響を与えるとの懸念を背景に、リスク回避の動きが強まったが、その影響が残る可能性も考えられる。そして、内外の株価の下げが落ち着くまでは、上値の重い動きが続くと考えられる。本日、欧州市場では、トルコの金融政策に関連するトルコの消費者物価指数が発表されるほか、ドイツやユーロ圏などの製造業PMIが予定されており、比較的動きが出ることが多い指標であることから、結果に注目したい。一方、米国市場では、ISM製造業景況指数の発表が予定されており、ここまでの米製造業関連の経済指標はまちまちの結果が続いており、予想が難しくなっている。その分結果に対する反応が大きくなる可能性もあり、注目したい。

6/3の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
23:00 米国

5月ISM製造業景況指数

ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
53.0 52.8
前回は、市場予想を下回り、2016年以来の低水準となった。新規受注や雇用がともに前月から5ポイント以上の大幅低下となったことが影響した。今回は、若干の改善が見込まれているが、ここまで5月の製造業関連の指標結果がまちまちの結果が続いていることもあり、予想を難しくしている。特に、貿易問題が影響しているとの指摘もあり、大きな改善は期待し難いだろう。

本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 日足

ドル/円は、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線の低下に沿って下落している。そして、下値のポイントであった109.024を下抜けて一段の下げとなった。ここから下げが続くのか、底固い動きとなるのか注目したい。

注目の一目均衡表の基準線は、本日108.171だが、4日は109.930、5日・6日に109.916、7日に109.913、10日に109.564まで低下する(現時点の安値108.171が基準となっており、これを下回る場合には数字は変化する、ただ方向性に変化はなし)。

上値のポイントは、109.024となり、ここを上抜けて上向きに転換し、基準線の上抜けに向けた動きとなるかがポイントとなる。一方、下値のポイントは、(1)108.000(心理的なポイント)、(2)107.767(サポートポイント)、(3)107.301(下値目標の計算値)となる。

気まぐれ投資コラム

豪中銀の金融政策発表、利下げが予想されているが・・・

6/4に豪中銀の金融政策発表が予定されています。前回5/7の金融政策委員会では、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートの据え置きを決定しました。声明では、今回政策スタンスを変更しないことが適切であると判断したとしていますが、利下げの回避には労働市場のさらなる改善が必要であるとの認識を示し、労働市場の動向に細心の注意を払うとの意向を示しました。

その後、5/16の豪州の雇用統計では、失業率が2018年8月以来の高水準に悪化し、正規雇用者数は2ヵ月ぶりにマイナスに低下しました。豪州の景気は減速、個人消費の低迷、不動産価格の下落、インフレは低調となり、最近の経済指標でも冴えない結果が示されています。

そして、5/21に公開された豪州中銀の議事要旨では、労働市場が一段と改善しなければ利下げが適切になるとの認識が示されたことに加え、ロウ豪中銀総裁が6月に利下げを検討すると発言したことから、豪ドルは主要通貨に対して下落しました。

マーケットでは、6/4の政策金利発表では、政策金利のオフィシャルキャッシュレートの引き下げが予想されています。また、金利先物市場では、先週末現在、利下げ予想確率が100%となっています。豪州の政策金利発表や雇用統計では、豪ドルが敏感に反応するケースが多いことから、発表時の豪ドルの動きには注意が必要です。

※出所:データを基にSBILMが作成

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