前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、序盤から軟調な動きとなった。米中の貿易摩擦激化への懸念が高まったことで、投資家のリスク回避も意識されており、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価や中国株の下落も影響した。一方、ドイツやユーロ圏の経済指標が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ユーロが主要通貨に対して下落となり、対ドルでは一時2017年5月以来の安値を付けた。
米国市場では、5月の米製造業・サービス業PMIや、4月の米新築住宅販売件数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米中対立の激化に対する懸念から、主要株価指数が軒並み大幅下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米政権が中国の監視機器メーカーに対して、部品などの米製品の禁輸措置を検討しているとの報道を受けて、ドル円・クロス円が海外市場で軟調な動きとなった流れを引き継ぎ、序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比200円以上の下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)値頃感の買い戻しや、実需のドル買いフローなども観測され、ドルは底固い動きとなった。さらに、日経平均が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、欧州では欧州議会選挙の投票が始まる予定であり、ポピュリズム勢の台頭などが警戒されていることからから、ユーロは対ドルなどで上値の重い動きが続いた。一方、ドイツIFO指数やドイツ、欧州の製造業・サービス業PMIがいずれも市場予想を下回る結果となったことで、ユーロ圏の景気減速が意識されたことで、ユーロは主要通貨に対して下落した。対ドルでは一時2017年5月以来の安値を付けた。
(3)5月の米製造業・サービス業PMIが2009年9月以来の低水準となったことや、4月の米新築住宅販売件数が予想を下回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米中対立の激化に対する懸念から、主要株価指数が軒並み大幅下落となったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その中で、米国の冴えない経済指標結果を受けてドルが下落となり、対ドルで下落していたユーロは反発となった。また、南アフリカ中銀の金融政策発表では、市場の予想通り政策金利が据え置かれたが、2019年のGDP予想、消費者物価指数の予想が下方修正されたこともあり、南ア・ランドは下落した。
(4)米長期金利の指標となる10年債利回りが一時2.360%から2.290%まで低下し、2017年10月以来約1年7ヵ月ぶりの低水準となったこともドルの圧迫要因となり、ドルは終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
週末5/25-28にトランプ米大統領が来日するが、それに先立ち、本日ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が来日して茂木経済再生相と会談する予定となっている。懸案の自動車関税などに関して協議されると見られているが、当初予定されていなかったことから、日米通商交渉を加速させたい米側の狙いがあると見られている。マーケットでは、通商協議や首脳会談の内容が注目されているが、中身が明らかになるまでは様子見の展開が続くと見られている。
米国市場では、耐久財受注の発表が予定されており、前回良好な結果となった反動が予想されているが、マイナスに落ち込むかどうかが目安となるだろう。また変動の大きい輸送機器を除いた指数の結果にも注目したい。
5/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
4月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
|
-2.0% | 2.6% |
前回は、市場予想を上回り、昨年8月以来の高い伸びとなった。民間航空機が大きく伸びるなど、輸送機器の上昇や、資本財が増加したことなどが影響した。今回は、前回の反動で輸送機器の低下が見込まれており、これが影響する可能性が考えられる。そのため、輸送機器を除いた指数の結果が注目される。 |