前営業日トピックス
東京市場では、前週末に発表された米経済指標が好調だったことに加え、日本のGDPが予想外の結果となったことも加わり、相対的に安全な資産とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。さらに、日経平均株価が上昇して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は米中貿易摩擦激化への懸念を背景に、中国株の下落などもあり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米中貿易摩擦激化への懸念を背景に米主要株価指数が下落したことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、米国債利回りが上昇したことや、下落して始まった米主要株価指数が下げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)1-3月期の日本の実質GDPが前期比+0.5%となり、市場のマイナス予想に反して上昇、年率もプラス2.1%となり、マイナス予想に反して上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が堅調な動きとなったことも下支え要因となった。一方、5/18に投開票された豪州総選挙では、事前の世論調査で野党・労働党の勝利が予想されていたが、予想に反して与党・保守連合が勝利したことを受けて、豪ドルはギャップアップして始まった。
(2)日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米中通商問題に対する懸念を背景に、上海株など中国株が大きく下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、先週英国のEU離脱問題に関する英与党内の協議が決裂したことで、英政局の混乱が続くとの思惑から、ポンドはドルや円に対して上値の重い動きが続いた。
(3)先週、米政権が中国通信機器大手ファーウェイに対する制裁措置を発表したことを受けて、米ハイテク企業がファーウェイとの取引を停止するとしたとの報道が影響し、米中貿易摩擦激化への懸念が広がり、米主要株価指数が下落したことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、米10年債利回りが2.378%から2.415%まで上昇したことや、序盤に200ドルを超える下げとなったダウ平均株価が一時13ドル安まで下げ幅を縮小するなど、主要株価指数が下げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その中で、一部米当局者が、インフレ次第で利下げをより積極的に提唱するとの見解を示したことを受けて、ドルはやや上値の重い動きとなる場面もあった。
本日のトピックス
昨日は、新規材料に乏しい中、やや限定的な動きが続いた。本日は、英国でカーニー英中銀、米国ではシカゴ連銀総裁、ボストン連銀総裁の発言が予定されおり、金融政策に関して発言する場合には敏感に反応する可能性も考えられることから、発言の内容に注目したい。また、先週後半に発表された米経済指標では、良好な結果が続いたことから、今週もこの流れが続くのかどうかが注目されている。本日は、中古住宅販売件数の発表が予定されており、改善が予定されていることから結果に注目したい。
5/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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535万件 | 521万件 |
前回は、市場予想を下回り、2月に付けた2018年3月以来の高水準から減少となった。4地域すべてで減少したことが影響した。住宅ローン金利の低下や賃金上昇、住宅価格の上昇鈍化にもかかわらず伸び悩んだことから、やや不安が残っている。今回は、改善が予想されており、底固さが見られるのか注目したい。 |